鳴りひびく太鼓の音、激しく刻まれるベース音。
これは波の音?
それとも、きよしさんの心臓の鼓動?
ステージが明るくなると、鮮やかなブルーのジャケットのボタンをすべてはずして、ラフなスタイルになったきよしさんは、音に身を任すように揺らめいてみえ、その姿は風のようでもあり、炎のようでもあったのです。
あっ!
きよしさんが思いきり前のめりになって前進されると、その勢いにのけ反りそうになりました。
これから目の前でなにが起こるのかしら?
「男花」のイントロが流れるなか、めまいがするような思いで、きよしさんをみつめていました。
きよしさんの、すべてから解き放たれたような軽やかで鮮やかな振りは美しい舞いををみているかのようで、そのエネルギッシュで艶やかな歌声は、歌うほどに勢いと熱さをましていったのです。
深く息継ぎをされたときの、そのブレス音までもが美しく、その響きにさえうっとりとし、聴き惚れずにはいられませんでした。
深く息継ぎをされたときの、そのブレス音までもが美しく、その響きにさえうっとりとし、聴き惚れずにはいられませんでした。
きよしさんの生命力みなぎる歌唱とパフォーマンスに、眠っている太古の記憶をよびさまされ、この一瞬一瞬をたしかに生きているのだということを感じさせられて...。
こんなに素晴らしいものを見せていただいていいのだろうかという思いになったのです。
そして、この一瞬一瞬をどこかに閉じこめて永遠にとどめていたい、時間の流れとともに、一瞬一瞬が過去になっていくことが耐えがくて...。
”氷川きよし”という歌手の深淵をまた少しのぞかせていただいた瞬間でした。
16日の越谷サンシティホールでのコンサート(夜の部)で、この目の覚めるようなパフォーマンスと一体となった、”氷川きよし”の「男花」を聴いて、この世のすべての人にみて、聴いてほしいと、心の底から思いました。
でも、コンサートにいらっしゃることが難しい方もおられることを思うと、そんなこと書けないしなあと葛藤していたところ、21日の「NHK歌謡コンサート」で「男花」を歌ってくださるというお知らせ。
それなら皆で聴いて、観ることができるなあと嬉しくなり、この記事の出だしに「男花」のこと、心のままに書いてみました。
それなら皆で聴いて、観ることができるなあと嬉しくなり、この記事の出だしに「男花」のこと、心のままに書いてみました。
17日に、それまで「NHK歌謡コンサート」の番組ホームページに発表されていたきよしさんの21日の番組での歌唱曲が「さすらい慕情」から「男花」に変更されたことを知ったときは、こんなに早く? と信じられない気持ちでした。
アルバムが発売されて10日も経っていないのですものね。
”勝手にキャンペーン”の準備をしていて、すでに「NHK歌謡コンサート」にリクエストされていることを書き添えてくださっているかたが何人もおられたので(皆さん行動が迅速ですね!)、15日に番組ホームページで21日の番組でのきよしさんの歌唱曲をチェックした折、わたしも簡単な文面ですがメールを送ったのです。
でも、そのときは”さらなる次回きよしさんの出演時”を期待してのもので、まさか21日の放送で「男花」を歌ってくださることがあるなんて、夢にも思っていませんでした。
ちなみにその前日がこれからご報告の続きを書かせていただく越谷サンシティホールでのコンサートでしたが、そのときのトークコーナーで「NHK歌謡コンサート」に出演されるお知らせを司会の西寄ひがしさんがされたときには、歌唱曲は「別れのブルース」(オリジナル歌唱は淡谷のり子さん)と、「さすらい慕情」とおっしゃっていましたから、17日に急展開となったのでしょうか?
ほんとうに嬉しいですね。
そして皆の声を受けとめて応えてくださったNHKさんに感謝せずにはいられません。
ありがとうございます。
当日はどんなステージで魅せてくださるのでしょう?
皆さま、もう、ドッキドキですね!
当日はどんなステージで魅せてくださるのでしょう?
皆さま、もう、ドッキドキですね!
先の記事に16日のコンサートで、まずお伝えしたかったことを書かせていただいています。
仕事が立て込みそうだったので、その前にと駆け足での更新でしたが、その後、なかなか思うように進まず、ご報告が遅くなりました。
ごめんなさい。
以下は16日の越谷サンシティホールでのコンサートのご報告の続きです。
オープニングは「一陣の風」。
その清涼感あふれる歌声に熱さも湿気も吹き飛びます。
ブルーと水色を基調にした渡り鳥が描かれた着流しに早変わりされ、「ちょいときまぐれ渡り鳥」を歌唱されると、オープニングトークになりました。
”越谷”が大好きだとおっしゃろうとして、思いきり大きな声で”川越”といってしまったので、場内大爆笑。
なんでも昼の部では西寄さんが言いちがえてしまったそうで、その余波(?)のようでした(笑)。
デビューして2カ月の頃、キャンペーンで、越谷にかつてあった”ラポーレ”という温泉施設にいらした思い出をお話ししてくださいました。
ラポーレのことをきよしさんがおっしゃると、”ここはラポーレじゃなくてサンシティ”という客席からの声にきよしさんは気づかれ、
「ああ、その時代の僕をご存知ないかたもいらっしゃいますよね。
ラポーレというね、温泉があって、お風呂に入って食事をしたりするところがあったんですよ。
僕、そこにデビュー2カ月のときにキャンペーンで来て、『箱根八里の半次郎』と『兄弟船』と『命くれない』を歌ったんです。
そうしたら、皆さん盛り上がってフィーバーしてくださった思い出があるんです」
そこまでお話しされると、また”川越”の話題に戻られ(笑)、
「越谷ですね。
もう自分で言っておきながら、汗がダラッ!」
と、苦笑されたのです(笑)。
続いて、「潮来笠」、「沓掛時次郎」を歌ってくださいました。
この日で今年のコンサートツアーは25日目で、ツアーのほぼ真ん中にになることを西寄さんがおしえてくださいました。
ちょっぴりハスキーなお声の西寄さん、思いのほか(なんて失礼かしら?)色っぽかったのです。
ここで先の記事の冒頭に書かせていただいた、きよしさんが16歳のときのきよしさんが歌う「兄弟船」の歌唱を流してくださいました。
音声が終わり登場されたきよしさんは「兄弟船」、「嫁に来ないか」、「さざんかの宿」、「愛の讃歌」とめくるめく”氷川節”を披露され、1曲、1曲にさまざまな表情や色彩を感じて、氷川きよしにはこんな魅力もあるのか、こんな歌声の響きがあるのかと思わせていただいたのです。
そして、とりわけ「愛の讃歌」は、きよしさんがそのときの心のおもむくままに歌っていらっしゃるように思えて、これまでに数度聴かせていただきましたが、きよしさんが歌い終えるその瞬間まで、ドキドキとして胸の高鳴りをおさえることができません。
子どもの頃から「愛の讃歌」という歌に特別の思いがあるわたしなので(そのことはいつかブログにも書きますね)、大人になって、自分が誰よりも大好きなきよしさんの歌う「愛の讃歌」を聴かせていただけるなんて、どうにかこうにか今日まで生きてこられてよかったと、心底思うのです。
続いてのコーナーでは、「面影の都」、「おやすみ夕子」、「星空の秋子」と歌われ、コーナーのしめくくりが「哀愁の湖~コンサート・バージョン~」でした。
語りかけ、心の叫びを次第に吐露していくような重層的な歌唱に、惹きこまれずにはいられず。
きよしさんが歌い終えて、舞台上手袖に戻っていかれるすの姿を追って、そのまま暗闇をみつめていたい気持ちになっていました。
そこで登場された西寄さん、きよしさんの”絶唱”を称賛され、
「どうぞ、皆さま、余韻にひたってください。
しばらくは目をつぶっていてください。
私をみると...、(余韻が)覚めます」
とおっしゃると、場内からくすくす笑いがこぼれて、皆、心地よく現実に戻ってこれたのでした(笑)。
「きよし君のファンの皆さまは、今日の歌唱をお聴きになって、”ついてきてよかった”と思っておられると思います」
といい添えてくださいました。
そうなのです。
コンサートのここまでで(早すぎると思われるかもしれませんが)、すでに”感動マックス”状態になっていたのです。
ですが、ですが、皆さま、ここでニューアルバムの「新・演歌名曲コレクション-さすらい慕情-」のジャケットでお召しになっているブルーのスーツ姿できよしさんが登場され、
「さすらい慕情」にはじまる情熱歌唱が続いたのですから、申し訳ないほどに贅沢に思えたのでした。
ニューアルバムがオリコンのアルバムチャート総合で初登場第3位になったことを西寄さんがお知らせしてくださり、音頭をとってくださって皆で万歳三唱をしたのですが、きよしさんはどれほど嬉しかったのでしょう。
ていねいにお礼をおっしゃると、”ようし、やりますよ!”というようなことをおっしゃると、軽々と床に手をついて、側転されたのです。
右に1回!
どよめきとともに、”きゃあっ!”という声も客席からあがって(笑)、皆が驚いている様子をご覧になった、きよしさん、”もっとやります”とおっしゃったでししょうか?
今度は左に1回転!
”危ないからやめて~”という声がお耳に届いたようで、
「大丈夫ですから」
と笑顔でお答えになって、”でも~”というさらなる声に、
「僕は不死身ですから(笑)」
と満面の笑顔でお答えになったのでした。
そしてニューアルバムについて、
「皆さまのおかげで良いスタートをきらせていただきました。ありがとうございます。
やっぱり喜んでいただいたり、良いスタートをきらせていただいくと、ええとモチベーションていうんですかね。
がんばろうっていう気持ちですね、そのモチベーションがあがるんですよ。
僕、アルバムでまだ1位をとったことがないので、生涯のうちに1度はアルバムで1位をとりたいですね。
そのためにはコツコツとね。ひとつひとつは点であっても、それを結べば形になりますから」
今回のニューアルバムの好スタートを、きよしさんはこれまでの積み重ねがあってのことと受けとめ、そこに甘んじて慢心することなく、次の大きな目標を自分自身に課しておられるのですね。
ほんとうになんて頼もしいのでしょう。
皆さま、きよしさんがおしえてくださったこの夢、きよしさんと一緒にかなえてお祝いしたいですね。
続いて、”昭和の名曲コーナー”の冒頭で、16歳のときに歌った「兄弟船」の音源を流してくださったことについて、先の記事に書きましたが、コンサートの前日にいろいろなものを整理していて、カラオケ大会に出場された16歳のときのDVDをみつけて、コンサートで見てほしいと思われてお持ちくださったこと、あまりに急だったので映像を映す準備ができなかたので音源のみ流してくださったことなどをお話しくださったのです。
ニューアルバムの収録曲でこの日、歌唱されていない曲をあらためて紹介してくださいました。
「リンゴ追分」が紹介されると、きよしさんはひばりさんの声真似を連発してくださって(笑)、大うけでした。
”ありがとう”とひばりさんの声音で、シナをつくっておっしゃって、客席がわくと、さらに、
”そうなのよ~”
”和也が紙芝居を読んでっていうのよ”
と嬉しそうに、ひばりさんの声音を真似ておっしゃたのです。
そして、西寄さんがきよしさんの所属レコード会社の日本コロムビアの社員の方でひばりさんをご存知の方は皆さん、ひばりさんが今、ご健在だったら、どれほどきよしさんをかわいがられたことかと、おっしゃっていることをお話しされると、
”あなた、いらっしゃい”
”家にいらっしゃい”
とさらに声真似をされて、「あ、家にはお邪魔しましたけどね」とセルフフォローされ、
「あの玄関にひばりさんの仏像があって」
と、おっしゃって、”あれ、なんかヘン?”ときょとんとされていると、
「それは銅像じゃありませんか~」
と西寄さんがちょっぴり呆れ口調でおっしゃったので、きよしさんは”シマッタ!”という様子で言い直されたました(笑)。
「そうなんです(笑)、銅像があるんですよ。
それで等身大なんですけど、150cmくらいなんですよね。
ひばりさんにはたくさんのファンの方がいらっしゃいますから、ひばりさんの歌を歌うときは、失礼のないようにという思いがいつもあります。
24歳のときでしたかね?
ひばりさんのフィルムコンサートに出演させていただいたんですけど、あのときは緊張して。
僕、マイク(を持つ手)が震えちゃって。
こんなふうに震えて(左右にぶるぶる震える様子をしてみせてくださって)、そのうちにね、もうこんなふうに(マイクを持つ手が)グルグル回っちゃって」
そういって、きよしさんが、マイクを持っている右手をかなり大きくグルグルと回されたので場内大爆笑となったのですが、
「皆さん、しんとして聴いておられたんですが、僕が最後に『人生一路』を歌ったら、ワーッともりあがってくださって。よかった~」
と結ばれたのです。
そのときのコンサートに参加していないのですが、そんなきよしさん、みてみたかったなと思ったりして...。
きよしさん、そんなこと思って、ごめんなさい。
オリジナル曲ではまず「遠めがね」を紹介され、曲への思いを言葉にされると、客席から”歌って!”の声。
きよしさんはア・カペラで歌ってくださいました。
「石割り桜」、「きよしの大江戸千両纏」では火消しの辰五郎のセリフを披露。
「ナツユキソウ」は、例によって(?)、いいところで音源がきれると、”ああ~”と皆の声が聞こえて。
西寄さんが、”いいところですね~”と、小声でおっしゃると、
きよしさんはそのあとを、ア・カペラで歌ってくださったのでした。
さらに、「さすらい慕情」がオリコンの演歌&歌謡曲の2015年上半期ランキングで第1位を獲得されたことを、西寄さんがおしらせしてくださると、
「ありがとうございます。
良いスタートをきらせていただいたことは、皆さんがもっと大きな存在になりなさいと背中を押してくださっていることなのだとうけとめています。
これまで以上に”人気大爆発”できるようにがんばります」
と決意を言葉にされたのです。
そして21日の「NHK歌謡コンサート」の話題になると、歌唱曲は淡谷のり子さんの「別れのブルース」と、勝負曲の「さすらい慕情」であることをお話しされ、
「僕、淡谷のり子さんのことはテレビでみていました。
清水アキラさんが淡谷さんの真似をされていて」
と、淡谷さんの真似をきよしさんがされると、あまりに特徴をつかんでおられるので大うけになったのですが、西寄さんは実際に淡谷さんにお会いしたことがあったそうで、西寄さんも淡谷さんの真似を披露されて、負けん気の強いおふたりで、”淡谷さんのもの真似合戦”となりました(笑)。
そして、客席からの熱烈リクエストに応えて、「別れのブルース」を。1コーラス、ア・カペラで歌ってくださったのですが、淡谷さんの歌唱とは違ったテイストで、きよしさんならではのみごとな”氷川節”になっていて、放送当日はまたどんな雰囲気のなか、歌唱されるのかと想像して、うっとりとしたのです。
続いて、今月28、29日に舞浜アンフィシアターで開催されるポップスコンサート(KIYOHI special concert 2015~KIYOSHI’S SUMMER~)のこともお話ししてくださいました。
「演歌歌手・氷川きよしというイメージを角度を変えて。
デジタルサウンドを用いて、”激しめ”の曲になります。
ビートがきいています。
前回のコンサートのときに、”激しめ”の曲のとき、ご年配の方が席を立たれたので、大丈夫かなと思って」
と心配そうなきよしさんに、西寄さんが、”ビートに利尿作用があったんですよ”とフォローされていました(笑)。
もしかしたら、そういことあるかもしれませんね(笑)。
「○○の○○さんにオリジナル曲をつくっていただいたんです。
交流がありまして、”僕が歌う曲をつくっていただけませんか?”とお願いしていたんです」
とおっしゃったきよしさんに、
「えっ? それはおっしゃっていいんですか」
とあわてた様子の西寄さんに、
「いえ...。
当日、取材のときにマスコミに披露することになっているので、皆さん、ナイショにしてください。
やっぱり(取材のために)”ネタ”を用意しておかないとならないから」
ときよしさんはお答えになったのでした(汗)。
皆さま、というわけで(当日のサプライズを楽しみにされている方もおられると思いますので)、記事には書かないでおきますが、曲を作っていただけることがニュースになるほどの方ということですね。
ますます楽しみになっています。
ますます楽しみになっています。
英語の曲も披露され、マライア・キャリーさんの曲も歌唱されるそうで、突然、数フレーズ歌ってみてくださいました。
うわあ、どんなコンサートになるのでしょう?
どんどん楽しみになってきますね。
と、ここまでトークがはずみにはずんで、いよいよ”質問コーナー”となりました。
ひとりめは2階席からで、14歳、中学3年生の男の子でした。前回の「ティーンズカラオケ大会」に出場され、「幾千もの祈り」を歌ってくださったそうです。
きよしさんが将来の夢をおたずねになると、まだ決まっていないとのお答え。
「ゆっくり考えたらいいですよ。
受験がんばってね。
それで高校生になったら、勉強だけじゃなくてそのときにしかできないこといっぱいしてね。
部活とか、恋愛もして。
将来のことも最初から(無理に)ひとつに決めないで、何パターンか決めて、そのなかでまた考えてみたらいいんじゃないかな」
と、一生懸命アドバイスされるきよしさんに、
”きよし君と話せてよかったです”
とていねいに返礼されていました。
途中、パンツ(ブルーのスーツ)がさがって、ひきあげたきよしさん。
「ズボンがさがってきて。
痩せたんです。今、ダイエットしているんです」
とおっしゃっていました。
将来の話題に、
「僕、初めて自分がテレビにでたのを見たら、何じゃこりゃって思ったんですよ」
ときよしさんがおっしゃると、
「きよし君がそんなこといったら、私なんか毎日、鏡を見て、何じゃこりゃって」
と西寄さん。
すると、きよしさんは、
「僕も、朝、鏡を見て、何じゃこりゃって思ってますよ」
と真顔でお答えになったのでした(笑)。
2人めは1階席から。
埼玉県入間市から5人でいらしたそうです。
質問は”きよし君はラジを聞く時間はありますか?”というものでした。
お仕事で、なかなか聞けませんが、”氷川きよし節”はときどきお聞きになるそうです。
お友だち5人で食事をされたというので、
「皆さんで楽しいでしょ? 何を召しあがったんですか?」
ときよしさんがお聞きになると、懐石弁当とのお答え。
「何が入っていたんですか?」
と、さらにきよしさんがおたずねになると、質問された方は、”お刺身と、天麩羅と...”といいかけて、”忘れちゃった~”とおっしゃったのです(笑)。
そうですよね。
皆さん、突然に、きよしさんにそんな質問されたら、どんなふうにお答えになりますか?
そして歌唱に戻り、
「九州恋慕情」、「男花」と歌ってくださったのです。
「男花」のことは、この記事の冒頭に書かせていただきましたが、先に歌われた「九州恋慕情」は晴れやかで
、現実の世界でたとえたら、この主人公はどんな男性なのかしら? とイメージがふくらんだのです。
続いての「男花」の熱唱は今思いだしてもドキドキして、めまいがしそう。
”男花”とは、まさに”氷川きよし”の命という名の花といってもよいでしょうか。
きよしさんの歌唱はもちろんのこと、あの歌唱と一体化した振りというかパフォーマンスに、こんなに素敵ですごいものを、わたし、見せていただいていいんだろうか?
と思ったのです。
そしてその一瞬一瞬が過去になっていくことに耐えきれない思いになって。
時間よ止まれ!
一瞬でもいいから、ちょっと待って!
と、そのすべてが時の流れとともに過去になっていくことが耐え難いものに思えたのです。
それにしてもなんて強くてまぶしいエネルギーに満ちていたことでしょう。
きよしさんの放つ命そのもののような輝きを浴びて、ひとりひとり、生きているということがどんなに尊く、素晴らしいことなのかを思わずにはいられませんでした。
ここで舞台は暗転。
大きな拍手と歓声がわきおこって、きよしさんは放心状態の様子で、舞台上手袖に歩いていき、暗闇のなか、客席に一礼され、戻っていかれました。
袴姿で登場されると、
「箱根八里の半次郎」、「大利根ながれ月」、「三味線旅がらす」、「大井追っかけ音次郎」を歌唱され、ラストトークになったのです。
きよしさんは「男花」の振り(パフォーマンス)について、
「『男花』ってけっこうエクササイズになるので、痩せると思いますよ。
ぜひ『男花』ダイエットを流行らせていただければと(笑)」
おっしゃっていました。
さらにご挨拶で、川越ではなく越谷であることを、”川越じゃないですよ~”と、ご自身で強調されながら(笑)、来場のお礼をおっしゃり、深々と頭をさげるとき、マイクはさげていたので、そのお声は聞こえませんでしたが、”ありがとうございます”とあらためておっしゃっているのが見てとれたのです。
そんなきよしさんに、”きよしコール”がおこると、きよしさんは”皆さんコール”を重ねてくださって、
さらに皆の健康と幸せを願って、”一本締め”をしてくださったのでした。
ラストは「番場の忠太郎」でしたが、ここで、暑くなってきたのでこまめに水分補給をしてくださいということを言葉にされたのですが、思いがけずに迷走したのです(笑)。
「皆さん、水分をとってくださいね。
僕は昨日は2リットルを2本飲みました。水分をとるのはからだにいいそうですから。
オシッコが気になる人は、あの、吸収するものがありますでしょう。あれをつけて(以下省略・笑!)」
場内からクスクス笑いが起こって、ますます迷走(笑)。
きよしさんは舞台下手に控えておられる西寄さんの方をご覧になられたでしょうか?
”そういうことで!”
”大変失礼して”
というような言葉で場をおひとりで切りかえられて、「番場の忠太郎」を熱唱されました。
きよしさん、いいんです。
その落差がまた魅力なんですもの、ね。
そしてアンコールでは、
「一緒節」、「きよしのソーラン節」、「きよしのズンドコ節」と歌われて、最後の1曲まで加速したままゴールインとなったのです。