「♪あなたが欲しい あなたが欲しい もっと奪っ て 私を
あなたが欲しい あなたが欲しい 愛が すべてが欲しい... 」
きよしさんは語りかけるようにその歌を唄いだされ、次第に感情を昂ぶらせながら結びのフレーズを激情ををほとばしらせるようにして唄いあげたられたのです。
酸いも甘いもかみ分けた成熟した大人のラブソング...。
そう、その歌は、高橋真梨子さんの「for you...」(フォー・ユー)でした。
ご実家から歩いて5分ほどのところにあるきよしさんの出身校である高宮中学校ことを話題にされ、先輩にタモリさん、高橋真梨子さん、森口博子さん、博多華丸さんがいらっしゃることをお話しされると、
「大先輩の高橋真梨子さんの『「for you...』を唄います」
とおっしゃったので、わたしは、予想もしていなかったその曲名に、息を呑み、そしてきよしさんの第一声を待って、その瞳をみつめたのです。
その歌唱は、どんな宝物より尊くて、きらきらと輝く歌のクリスマスプレゼントでした。
きよしさん、こんなに素敵なプレゼントを用意してくださっていたなんて...。
驚きと感動に、胸がじんじんとしたのです。
椿山荘でのディナーショー、夜の部でのことでした。
※メッセージ&メニューカードと宿泊プラン特典のチケットケース(表紙はカードと同じ図柄です)
今回は、椿山荘でのディナーショーでははじめての試みということで、会場にサブステージがつくられていました。そちらの画像も記事のなかでアップしていきますね。
きよしさんのめくるめく歌唱を思いだすと、またまた感動で思考回路がショート(汗)。
昨夜はKさんと忘年会もかねて深夜遅くまで語らいながら、きよしさんのDVDをみて...。
思いきり寝不足状態で帰宅しましたが、こころはとろとろとろ~ん!
アップする画像の整理をしながら、こころおちつかせておりました(笑)。
以下は出待ちまで、時間のながれに沿って書いてみようと思います。
オープニングは「櫻」でした。
きよしさんはシルバーの総スパンコールの三つ揃いのスーツで登場され、シャツは黒、蝶タイはスーツとも布でした。
「きよしこの夜Vol.17」につづいて、ディナーショーでまた聴かせていただけるとは思っていなかったので、オープニングから嬉しい驚きに包まれたのです。
そして、つづいては、「寒立馬」でした。
きよしさんの「櫻」の歌唱に、2017年という年、そして今年旅立たれた方たちへの惜別の思いを感じて...。
でも、冬の寒さのような悲しみに負けずに生きていこうという大いなる励ましのメッセージがつたわってきたのです。
そして、ここで以下のことをブログに書くか迷ったのですが...。
やはりできるかぎりほんとうのことを書くことを身上のつもりのこのブログですので、書いておこうと思います。
じつは、残念なことに上手寄りのわたしの席からはこの2曲を唄っておられるきよしさんのお顔が照明がさえぎってまったくみえないという状況になり、わたしはかなり動揺してしまいました。
というのもきよしさんの後方からのピンスポットのような照明があまりにも強くわたしの座席のエリアを照らしてさえぎるのものがなく、オープニングの2曲についてはきよしさんがセンターで移動されずに歌唱される構成になっていたので、その照明も動かなかったため、やりすごせず、まぶしさにめをこらしても逆光状態というのでしょうか。
その場でさしさわりのない程度にイスを前後左右にずらしてみたのです状況はかわらなくて。
わたしは、きよしさんの表情をみたい一心でしたので、その場で立ちあがるわけにいかないけれど逆にかがんだらどうかしら? と最後は床に膝をついてみたりもしたのです。
ドレスよりきよしさんのわたしですものね(涙)。
そうしたら少しだけ陰ができて、ちょっぴりきよしさんのお顔を目視できたのですが、それ以上はみえなかったので、「櫻」の間奏のとき、お隣にすわっているKさんに声をかけると、Kさんもまったくみえないことがわかって...。
このあとも2度ほどそのような照明の状況になったので、終演後に椿山荘さんのディナーショー担当の方につたえさせていただきましたが、そのため、このオープニングの2曲については、わたし、きよしさんの歌声がすべてだったのです。
でも、きよしさんのお顔がまったくみえないという状況にあっても、わたしはきよしさんの思いを感じておりました。
ステージは暗転。
「愛しのテキーロ」のインストロメンタル演奏となり、さあ、次はどの曲?
と高まる期待を抑えながら聴いていたら、グラスにお酒を注ぐ音が。
もう、わかっちゃった!
そう、「酔わせてオルホ」でした。
きよしさんは真っ赤なサテンのスーツで、エリは黒のラウンドカラー、ボタン、ポケットのふちも黒、シャツは白という出で立ちでの登場でした。
ステージのセンター階段をおり、会場の下手側へと歩まれて客席をまわりながら、
「きよしのへっちゃらマンボ」
「きよしのMerry X'mas」
と歌唱されると、ホールのサブステージへの階段をのぼられ、
「星空の秋子」
を唄ってくださったのです。
会場は大熱狂!
後方席もまんべんなくまわってくださったので、会場の皆のこころがきよしさんのおかげでひとつになったような一体感が生まれて、幸せな思いになっておりました。
※メッセージ&メニューカードに雪だるまのイラストまで!
司会の西寄ひがしさんがもサブステージに登場され、きよしさんの今年1年間の大活躍ぶりをあらためて讃えられると、
「退屈すると石になって重くなって落ちちゃうから、その前にわくわくの羽根を広げて次の世界へ行こう...ってねっ。もう、僕、”限界突破”(「限界突破×サバイバー」)のような人生だから」
ときよしさん。
そんなきよしさんの言葉に、
「まるで『限界突破×サバイバー』の語りバージョンですね(笑)」
と西寄さんがおっしゃると、
「歌詩のまんまなんです。
僕の心境とまったく同じなんです」
と、にこやかにきよしさんはおお答えになっておりました。
ここで「NHK紅白歌合戦」、「日本レコード大賞」への出場決定をお祝いすると、「第50回日本有線大賞」の大賞受賞を祝して西寄さんの音頭で万歳三唱をさせていただいたのです。
きよしさんはあらためてお礼をおっしゃると、
「皆さん、がんばっておられるので、自分がいただいて申し訳ないような気持ちもありましたが、やっぱり、ファンの皆さんのために、自分がいただきたい、いただかないとって思っていました。
今年はコンサート中心で明治座での1か月公演もありましたから、1年のほとんどを”氷川きよし”としてすごしていました。
おかげさまで健康ですごさせていて、でも1年をとおして1回だけ風邪ひいちゃって、皆さんにご心配おかけして申し訳なかったです」
きよしさんが今年1年をふりかえっての思いをお話しされると、来年1月30日にリリースされる新曲「勝負の花道」の話題になりました。
その新曲を初披露された、東京国際フォーラムでの「きよしこの夜Vol.17」の話題になると、
「フォーラム、楽しかったですけど。年齢とともに4回(4公演)やるってキツいですね~」
きよしさんは全方向をお客様に囲まれているので、西寄さんとともに少しずつ立ち位置を変えながら、本音トークをきかせてくださり、
「勝負の花道」を唄ってくださったのです。
※ステージのセンター階段をおりて”花道”をとおってサブステージへと。
つづいては、西寄さんが、6月の明治座さんでの1か月座長公演の大成功とあの日の感動を話題にされると、
「この曲を聴くと思いだしますね」と。
そう、唄ってくださったのは、
「きよしのねずみ小僧」(嬉)。
きよしさんは黒地(あるいはダークグレー)にゴールドの格子柄が描かれたロング丈のジャケットの三つ揃いのスーツにお召し替え。シャツは白、蝶タイはスーツととも布、靴は黒のエナメルでした。
ここで、この記事の冒頭に書きましたが、母校の高宮中学校の話題をされると、先輩である高橋真梨子さんの「for you...」(フォー・ユー)を唄ってくださったのです。
そして、「残雪の町」を唄われると、「新・演歌名曲コレクション6-碧し-」についてお話しされると、そのなかからカバー曲を唄ってくださることに。
きよしさん、ご自身がその4曲のタイトルをおっしゃったのですが、1曲目は「冬の蛍」でした。
ついについについに、わたし、「北の蛍」を生で聴かせていただけるんだ。
でも、わたし、そうしたらどうなっちゃうのかしら?
かつてみた映画「冬の蛍」での岩下志麻さんの姿がうかんできて...。
ゆらめく炎のような情念を、きよしさんの歌唱に感じて、せつなさに、こころの痛みをともなう激しさに、わたしはただただ涙があふれてきたのです。
森さんの「北の蛍」が素晴らしいのはもちろんですが、きよしさんの「北の蛍」はわたしがいつか聴いてみたかった「北の蛍」だったのでした。
みごとな”氷川節”、鮮やかな”氷川節”に人の命の輝き、そしてさまざまな人生を思い、ながれてくるのは涙だったのです。
「おまえに惚れた」
「時の流れに身をまかせ」
を唄ってくださり、「時の流れに身をまかせ」では、この歌に描かれた主人公の思いと自分の思いが重なる体験をした福岡を訪れたときのことが思い出されてなりませんでした。
きよしさんの歌声は、わたしのこころの鎧を解いてくださり、正直に自分をみつめる勇気をくださるのです。
だからこそ、涙もまたこころのままにながれてくるのでしょう。
このコーナーの最後は「人形の家」でした。
深く豊かな歌唱に聴き惚れ、きよしさんの鼓動と自分の鼓動が同調し、そのブレス音にンクロして、わたしは息を呑んだのです。
きよしさんと共にこころが震え、きよしさんの脳裏に描かれている光景がみえてくるような気がしたのです。
圧倒的な歌声でありながら、聴く人のこころに寄りそう”氷川節”の深淵に感動がこみあげてきました。
ここで、バンドメンバーの紹介があり、西寄さんが、新年のきよしさんが出演されるテレビ番組のインフォメーションをされました。
またあらためて詳細をブログに書きますが、直近では、
1月3日「演歌の花道 2018」にご出演されるそうです。
次のコーナーは和の世界。
白地に黒の袴姿で登場されると、
「じょんがら挽歌」
「箱根八里の半次郎」
を唄われ、来場のお礼をおっしゃると、
「2018年は今年以上にお喜びいただけるように、日々努力して精進していきたいと思います。
引き続き、氷川きよしをかわいがってやってください」
と結ばれ、大きな声でタイトルコールをされると、
「男の絶唱」を熱唱されました。
そして、いよいよのラストは、
「白雲の城」でした。
ディナーショーのステージには、緞帳も奈落の仕掛けもないのですが、唄いおえて、高く右手を掲げるきよしさんは、そのまま奈落へとしずんでいくかのようで...。
そんなきよしさんに同調するかのように照明が静かにおちたのです。
金屏風の前に赤いお花を飾ったディナーショーのポスター!
暗転した舞台をからきよしさんが上手袖にもどっていかれると、”きよし”コール”がおこりました。
オープニングからここまでのめくるめく歌唱への感動、そして”今年1年”、ありがとう”というきよしさんへの感謝にみちあふれた拍手と”きよしコール”は、明るく響いていたのです。
そこで登場されたきよしさんは、デニムのパッチワークが描かれた総柄の三つ揃いのスーツをお召しになっていました。
白、インディゴブルー、水色の3色のデニムをつないだような軽やかな印象のスーツで、シャツはブルー。靴もパッチワーク模様になっているという徹底ぶりで、遊びごころいっぱいのさわやかなスーツで、
「碧し」を唄ってくださると、花道をとおってサブステージへ。
「きよしのズンドコ節」を唄われ、ふたたびメインステージへもどられて、唄いあげられたのでした。
まだまだ「日本レコード大賞」、「NHK紅白歌合戦」と晴れ舞台での歌唱がつづくきよしさんですが、ファンの前で唄う単独ステージとしては、2017年の唄い納めになったこのステージ。
「皆さん、今日はほんとうにありがとうございました。
最高でした!
お元気で、。明日もがんばりましょう!」
とご挨拶されると、先のトークのなかで、”あと5時間唄いたい”思いであることをお話しされていたので、そのことをふまえてなのでしょうか。
「また来年もお会いしましょう」
と、おっしゃると、
「今日は夢のなかお逢いましょう!」
と結ばれて...。
すでにその歌唱にこころとろけていたわたしでしたが、きよしさんの言葉の甘い響きに、うっとりしたのです。
※日本コロムビアの社長さんから立派なお花が。
終演後は出待ちをしました。
あらかじめコートや手袋を持参して、あたたかくして、車がとおる車道に沿った縁石にはたくさんの方が並ばれていました。
かなり冷え込んでいましたが、きよしさんを待つ時間はいつだって苦になりません。
待つ人のお顔はどの方をみても、笑顔、笑顔、笑顔。
幸せな時間でした。
20分ほど経ったころだったでしょうか。
きよしさんを乗せた車が車庫をでてこられたのでしょう。
車庫側に並ばれている方たちの歓声がきこえてきたのです。
きよしさんは進行方向右側の窓に寄って、建物のエントランスに並んでおられる方たちに手をふられていたのでしょう。
わたしが並んでいた進行方向左となる縁石の列に近づいてこられたとき、きよしさんが今度は左側の窓へと移動され、窓から上半身をだされて手を振ってくださっていました。
昼夜2公演熱唱されてお疲れでないはずはないのに、そんなこまやかな心遣いをしてくださるきよしさんに、ありがたさでいっぱいになったのです。
そして、きよしさんの車が近づいてきて、にこやかなきよしさんの間近に笑顔がみえました。
そのときです。
きよしさんは、右手をこれ以上振れないというほどに大きく大きく右に左にと振られたのです。
あんなに激しく大きく手を振られるきよしさんを、わたしはみたことがありませんでした。
きよしさん、そんなにしてくださらなくても、その思いが痛いほどつたわっています。
それなのに、あんなに一生懸命に手をふってくださるなんて...。
きよしさんの車が右折してみえなくなる瞬間まで、列にとどまって見送らせていただきました。
わたしの周囲の皆様は等しく同じ思いだったようで、きよしさんの車がみえなくなると、ようやくそれぞれの方向へと歩きだしたのでした。
ひと足早い聖なる夜...。
めくるめくきよしさんの歌声に、抱きしめていただいた思いがしたのです。