10月23日(火)昼の部で明治座さんでの座長公演24日・31公演目となったきよしさん。
第1部のお芝居のクライマックスの大立ち回りで、「あ~っ!」と空を指さして敵を翻弄し、いったん姿を消すシーンで、「♪なめたら、あっか~ん!」とひと節(笑)。
そう、この日は大先輩の天童よしみさんがお忙しいなか、観覧にお越しくださっていたのです。
きよしさんは、場内をまわるシーンで天童さんを見つけられ、わたたちもそのときに気づいたのですが、きよしさん、ほんとうに嬉しかったんですね~。
天童さんとは第2部のコンサートでもサプライズがありましたので、この記事のなかで書いてみたいと思っています。
この日は昼夜2回公演で、DVD収録の日でしたが、きよしさんは思いっきりの自然体(嬉)。
キメ台詞はいっそう鮮やかに、アドリブは冴えに冴え、涙、笑い、スリルとそれぞれがいっそう際立って、それらすべてが心地よいハーモニーを奏でているように感じられたのです。
いい空気がながれているなあ...。
わたしはその心地よさにホッとするような思いになっておりました。
昼の部のあと、ふたつ予定があったのですが、終演がおして、3時をすぎていたでしょうか。
2部が4時開演ですから、きよしさんは、お仕度をしていたら、休む時間がないのでは? とアンコールでふたたび幕が開くのを待っているときに思ったのですが、きよしさんは、アンコールの最後で、
「夜の部もがんばります!」
とガッツポーズをされたのです。
皆の気持ちを感じとってくださっていたのかもしれませんね。
その足で人形町駅から東銀座の松竹の試写室に移動し、来月公開される「人魚の眠る家」をみせていただきました。
試写室に開演7分前にはいれて、ギリギリ補助席にすわれたのですが、東野圭吾さん原作のこの新作は評判が高く、わたしのあとにいらしたおひとりでいよいよの満席。
そのあとからも何人もいらしたのですが満席で次回の試写にと案内されていたようです。
上映時間120分。
後半で涙があふれて、あふれて...。
きよしさんの「愛の讃歌」で涙したわたしはこの日2度めの涙...。
この作品のことはまたあらためて書きますが、ぜひ皆さんにもご覧いただきたいと思いました。
そして終演後は急ぎ足で赤坂のアクトシアターへ。
取材と原稿を書くため、宮本亜門さん演出の「生きる」を編集者の方と待ち合わせて観させていただいたのです。
楽屋口からはいって衣裳をながめたりして...。
なんだかきよしさんの楽屋と重ねて想像をふくらませていっそうわくわく(嬉)。
主演は市村正親さんと鹿賀丈史さんのダブルキャストですが、この回は市村さんバージョン。
高校生のときにはじめてこの映画を家のテレビでみていて、涙がとまらなくなってしまったのですが、現代にそのメッセージをイキイキとつたえる力をもった素晴らしいミュージカルになっていると感じました。
主人公の”命を燃やし尽くす”という信念が形になりできあがった公園のブランコで歌う「ゴンドラの歌」にまた涙...。
明治座さん、試写室、そしてアクトシアターと、この日3度目の涙となったので、そのことについて、あらためて考えたのです。
わたしの、この日の3つの涙に共通するものは愛でした。
そして命の尊さがそれぞれの方法で表現され、わたしの心の奥底にまで響いたということなのではないかと思い、胸がいっぱいになったのです。
わたしの、この日の3つの涙に共通するものは愛でした。
そして命の尊さがそれぞれの方法で表現され、わたしの心の奥底にまで響いたということなのではないかと思い、胸がいっぱいになったのです。
わたしが、なぜ先にこのことを書いたかというと、きよしさんが、ラストトークでこんなことをお話しされていたから。
「座長公演のいちばん最初は24歳のとき。名古屋の中日劇場で『草笛の音次郎』をやらせていただきました。
山本一力さんが原作です。
事務所に”やりなさい”っていわれたとき、(子どもの頃からをふりかえってみても)そんなに時代劇をみたことがなかったですし、(舞台で)お芝居もしたことも(ほとんど)なかったですから、どうしたらいいんだろうって思いました。
チャンスをいただけることはありがたいことなんですけど、でも緊張の度合いが強いと、僕、熱がでるんです」
と、おっしゃると、これまでのすべての公演(8作品、うち明治座さんではこれまで4作品)のタイトルをあげられ、
「そのなかで挑戦して一生懸命やることが大事だと思わせていただきました。
そして、時代劇の良さもわかるようになりましたね~。
義理や人情...。
そこには現代の人が忘れかけているものが描かれているんだなって思います。
そして、そういうものを今日までやってきたなかで、氷川きよしなりの表現で表現者として伝えられるんなって思って」
と。
なんて素晴らしい!
これまで、きよしさんが自覚していなかったとしてもそれらを見事にされてきたと、おこがましくも全公演観させていただいてきたわたしは思っています。
でも、いつも自分に厳しく、ハードルを高くされているきよしさんが、、ご自身でそのことを実感され、手応えを感じることができた、そのことに感動せずにはいられませんでした。
その手応えは揺るがない拠りどころであり、自信となり、歌へもつながっておられるのでしょう。
「だからこれからも氷川きよしらしく、自分らしく、、枠にはまらず形式にとらわれずに歌の道を進んでいきたいと思います。
こころを大切にして」
と、さらに言葉を継がれたのです。
そこで、客席のそこここから、小さな”きよしコール”がこまだして、その声が次第にひとつになって、大きな大きな”きよしコール”になりました。
「あら~、あららららら」
とおっしゃりながらも、嬉しそうな嬉しそうなきよしさんでした。
1部のお芝居では、”恋之介日本一!”の声が客席もひとつになっておこり、”恋之介コール”があふれるなか、幕を降ろしました。
そして、2部のコンサートでは、熱唱が繰り広げられたのです。
2曲目の「愛の翼」の振りはさらにバージョンアップされたでしょうか?
ものすごくドラマティックな振付にそれでなくてもドキドキしているのに、いっそうドッキドキ!
素敵すぎます~。
そして、コンサートのなかで司会の西寄ひがしさんをまじえてのトークで、「WADA fes 」(和田フェス)にゲスト出演された話題がでると、
「昨日、アッコさんに電話しました。
本番が終わったあと、留守電にメッセージくださってたんですよ。
”明治座公演で忙しいのに出てくれてありがとう。嬉しかった。ほんとうに感謝してるよ。折り返しはいらないから”
って。
それで(昨日の電話で)、アッコさんが歌った『今あなたにうたいたい』が自分のこころにはいってきて。今度アルバムにいれさせていただけますか? っていったら、”ああ、歌って、歌って!”って(笑)。
人情のある方なんですよ。
僕もそうありたいなって思いました」
と。
そこでこの日の公演に天童よしみさんがいらしてくださっていることを西寄さんがおっしゃると、
「お忙しいのに、ほんとうにありがとうございます。
ええと、どちらに...」
きよしさんがそうおっしゃると、天童さんは1階席下手寄り後方のお席にいらして、その場で立ってくださったのです。
ベレー帽をかぶられ、キュートな天童さんでした(嬉)。
大きな拍手のなか、天童さんはステージに駆け寄り、ステージ下から、西寄さんのさしだされたマイクをとおしてお話しされました。
「客席で観てますけど、皆さんの圧がすごくて! ほんとうにファンの皆さんがきよしくんを支えてるんですよ。
きよしくん、ほんとにほんとにファンの皆さんに感謝ですね~」
と。
きよしさんはいつのまにかステー上で正座をされていて、天童さんのことを”よみねえちゃん”と呼ばれていたでしょうか。
「新曲『きずな橋』!」
と天童さんの新曲をタイトルをおっしゃって紹介されると、さらに、
「僕の師匠の水森英夫先生が作曲されてるんですよ~」
と。
天童さんは正座されているきよしさんを激励され、握手をかわされると、客席にもどっていかれました。
きよしさんは天童さんを見送られると、
「ありがたいですね~。励みになります。
先輩方の存在はありがたいです。
先輩方がいないと乗りこえられないことってたくさんありますから」
としみじみとおっしゃったのです。
また、この日はいよいよ「ゲゲゲの鬼太郎」のシングルが発売になりましたので、そのインフォメーションを西寄さんがされ、エンディングのオリジナル曲「見えんけれども おるんだよ」について、
「サウンドが若めなんですよ~」
と前置きされると、イントロから伴奏までボイスパーカッションで歌われながら、歌唱もしてくださったのです。
このバージョンもぜひリリースしてくださらないかしら?
そして、この日も10月2日にリリースされた「新・演歌名曲コレクション8-冬のペガサス-勝負の花道~オーケストラ」を西寄さんがインフォメーションされると、そこから収録されているカバー曲の紹介のながれで、明治座限定のモノマネ披露に(笑)。
北島三郎さん、森進一さん、小林幸子さん、美空ひばりさん、美川憲一さん、美輪明宏さんという順番だったでしょうか?
笑いすぎて記憶がどこかに(汗)。
あまりのモノマネのもりあがりに、
「”氷川きよし モノマネ ヒットパレード”、お楽しみいただけましたでしょうか」
と西寄さんがまとめると、
「明治座限定!」
ときよしさん(嬉)。
このモノマネ ヒットパレード”もますます進化しているのです(嬉)。
きよしさんは、
「これまでもモノマネ好きだったんですけど、封印していたんですよね~」
と満足気におっしゃっていました。
コンサートも涙あり、笑いあり...。
この日も抱えきれないほどたくさんの心のおみやげをいただいて、明治座さんをあとにしたのでした。
※ホットなきよしさんを早くお伝えしたくって! 駆け足での更新で失礼しました。