「ヨイトマケの唄」
を歌われていたときのことでした。
きよしさんの、切々と、そしてときにドラマティックな歌唱に、心揺さぶられて...。
涙が、あふれるというよりも、じゅーっとどこかからしみだしてくるように感じていて。
その涙がほほをつたっていったとき、きよしさんが、後半の数フレーズを噛みしめるようにして歌われて...。
ああ、きよしさんもまた、そのこころが震えているのだなあと、そう感じたら、わたしの涙は堰をきってながれだしたのです。
相模女子大学グリーンホールでのコンサート・昼の部でのことでした。
歌い終えると、暗転したステージの上のきよしさんは、しばし下を向かれていたでしょうか。
照明がついても、言葉がすぐにでてこない様子で、
「皆さん、こんにちは~」
と無理にいったご挨拶はハイトーンすぎてしまいました(汗)。
そこで、きよしさんは、
「すみません。歌に入りこんじゃって...」
と自戒するようにおっしゃると、
「皆さん、こんにちは~」
ともう一度ご挨拶されました。
そこまでに歌ってくださっためくるめく7曲の歌唱に酔いしれていた客席は、幸せな思いできよしさんのトークにききいったのです。
さて、
「新しい元号は何になるんでしょうね?」
と司会の西寄ひがしさんにきかれたきよしさん。
何を今さらとういように、しれっと
「大丈夫」
と答えたので、場内大爆笑となりました(笑)。
先日の「氷川きよし節」(文化放送)でも、期間限定で、”氷川大丈夫きよし”と、ミドルネームを入れて名乗られていましたが、もう、きよしさんは、今すべてが新曲一色(ダブルA面なのでここは二色といったほうがよいでしょうか)なのですね。
この元号のやりとりは、夜の部でのこと。
昼の部ではじめて、3月12日にリリースされる新曲は、もともとは「最上の船頭」1曲だったことをお話しされたのですが、その理由は、「大丈夫」をお聴きになったときに、
「20周年なので、皆さんと幸せをわかち合いたい」
という思いがわいたのだとお話しくださり、
夜の部では、「最上の船頭」の素晴らしさにふれたあとで、その素晴らしい曲にさらに「大丈夫」をリリースすることにした思いについて、
「20周年なので明るくいきたいし、5月に元号が変わりますから」
と。
きよしさんは時代の変化や、オリンピックの準備をしている今のなにか革新的な空気を感じとられたのだなあと感じ入っていたのですが、そこで冒頭の西寄さんの質問があり、きよしさんが、”大丈夫”と即答されたのでした(笑)。
そして、
「誰だってね、そんなに自分に自信のある人っていないと思うんです。みんな強がっているだけでしょう。
だから、”大丈夫”って励ませたらいいなって思ったんです。
(この曲を聴いたとき)久しぶりに氷川きよしらしい曲に出会えたなって。カッコいい曲もいいんですけど。
ちょっとダサ目というか(あか抜けないとか素朴とか気取らないという意味合いかと思います)。
でも、それがいいのよ~。
これまで様々な曲を歌ってきましたから。
でもやっぱり幅広い、”老若男女”の方にきいて」
と、きよしさんがおっしゃった瞬間、西寄さんが、
「あっ、いえたっ!」
と(笑)。
そう、ファーストコンサートツアー以来、どうしても”いえなかった(稀になんとかいえたこともあったかと思いますが・笑)、”老若男女”をすらっとおっしゃったので、西寄さんが思わずそう叫ばれたのです(笑)。
きよしさんは、
「さすがに僕だって20周年ですから」
と、ちょっと胸をはっておっしゃっていましたが(笑)、果たして次回はどうでしょう?
この日の構成やセットリストは2月2日の中野サンプラザホールでのコンサートと同様で、アンコールでも「大丈夫」をもう一度歌ってくださっていました。
そして、先におしらせですが、1月24日にウェスタ川越でコンサートを開催されましたが、その日の朝、訪れたあるお店で購入した干し芋がとてもおいしかったそうで。
なんと、そのお店で”きよしの干し芋”を販売してくださることがきまったのだそうです。
3月からの予定で、詳細はあらためて事務所のサイトやFCなどでおしらせくださるそうですから、干し芋がお好きな方はお楽しみに!
きよしさんのお墨付きの干し芋ですから、おいしいんでしょうね(嬉)。
また、この日、あくまでわたしがですが、驚いたことがありましたので先に。
ひとつめは、「冬のペガサス」を歌唱されるときの、髪の白いメッシュが、白い羽をのエクステだったこと。
皆様はご存じでした?
ステージの途中で、きよしさんが、”抜け毛をみつけた!”と、落ちていた白い羽を手にとり、スタッフの方が回収されたのです。
てっきりメッシュをいれているとばかり思っておりました。
そして、もうひとつは、2002年のコンサートツアーからお世話になっていて、この日まで存じあげていなかったのですが、パーカッションの大宮さんのロングヘア―は天然のウェーブなのだそうです。
ずっとパーマをかけていらっしゃるものと思っていたのですもの!
お隣にすわっていたKさんも驚いていましたので、まあ、わたしだけてはないのかなということで、ここに書かせていただくことにしました(嬉)。
この日は昼夜とも、嬉しい賞の受賞をお祝いさせていただきました。
「日本演歌歌謡大賞」の初代大賞受賞、第40回 松尾芸能賞 優秀賞(歌謡)受賞についてはこのブログでも書かせていただいていますが、コンサート前日の2月26日には、第33回日本ゴールドディスク大賞が発表され、ベスト・演歌/歌謡曲アーティスト部門で受賞されたこともお祝いさせていただいたのです。
こちらがきよしさんの受賞コメントです。
おかげをもちまして、「ベスト・演歌/歌謡曲・アーティスト」を頂戴することができました。応援してくださったファンの皆様、スタッフ、関係者の皆様、本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいでございます。2018年は「勝負の花道」という老若男女、全世代の方に向けての応援歌を歌わせていただき、カップリング曲には演歌だけでなく、ポップスなどクリスマスソングも収録しました。これからも、ジャンルを超えて、様々な曲を歌わせていただきたいと思っています。今年、デビュー20周年を迎え、新曲は「大丈夫」と「最上の船頭」の2曲です。よい歌すぎて両A面となりました。たくさんの方に聴いていただけたらうれしいです。皆様、これからも応援を何卒よろしくお願い致します。(氷川きよし)
”よい歌すぎて両A面となりました。”の言葉が素敵ですね。
第33回日本ゴールドディスク大賞のHPはこちらです。
では、以下は昼夜の印象にのこったトークを書いてみようと思います。
きよしさんは、久しぶりのコンサートということで、前夜は11時半には就寝され、朝は早めに起床されたそうですが、ここのところはずっとレコーディングをされていたとお話しされていました。
ニューアルバムでしょうか?
新曲のカップリング曲もこれからなのに、アルバムへの期待もふくらんできて、わくわくしています(嬉)。
きよしさんは、「日本演歌歌謡大賞」の受賞について、
「皆さんがリクエストしてくださったおかげでいただける賞ですから、ほんとうに嬉しいんです。
嬉しいんですけど、自分がいただくのがなんだか申し訳ないような気もしていますが、やっぱり(賞をいただくことを)皆さんが喜んでくださることが嬉しいですよね」
とお話しされ、
「会場はメルパルクホールだったんですけど、当日はファンの皆さんがたくさん来てくださっていて、ありがたかったです」
とおっしゃると、
「当日、お越しくださった方?」
とおたずねくださいました。
たくさんの手が挙がると、
「ありがとうございます」
と会釈をされました。
きよしさんの”ちゃんとわかっていて、嬉しかったんだよ”という思いを感じて、わたしもまた嬉しくなりました。
受賞曲の「勝負の花道」について、Aタイプから I タイプまで9バージョンをリリースした話題をされると、
「バージョン違いをだしたのは『三味線旅がらす』からだったんですよね。
それから、皆さんもバージョン違いをだされるようになってきて。
ときよしさんがおっしゃると、
西寄さんが、
「そうですね。演歌の世界でペンライトをつくったのも氷川きよしさんが初じゃないかって、先日出演したラジオ番組でいわれましたよ」
と、”氷川きよし”がいろいろな意味でパイオニア的な存在であることをお話しされたのです。
その言葉をうけて、、
「ペンライトも、皆さんがお求めくださるおかげで、今日までつづいいてきているんですよ。
ね、ペンライトは、ファンの皆さんの”こころの灯り”だと思っています」
と、きよしさん。
なんだかじんときてしまいました。
そして、7月11日、12日の日本武道館での「20周年記念コンサート」と、9月6日の大阪城ホールでの追加公演のおしらせがありました。
そのなかで、日本武道館はすり鉢状なので、5周年のときのように全方向にするのか、ステージにバックをつくるのかというところから思案されていることをおしえてくださいました。
西寄さんでさえも、
「そこからなんですね」
と驚きをまじえておっしゃっていました。
そして、演奏のチームHKの皆さんをきよしさんと西寄さんおふたりで紹介されていたのですが、ドラムの松本直樹を紹介されたところで、昨年の「きよしこの夜 Vol.18」のうちあげの話題をされました。
「終わったあと、”うちあげをするからよかったらきてください”と声をかけて、自分の地元にきてもらったんです。
それで、ラーメン食べたくなって、深夜4時にラーメン食べにいったんですけど、松本さんは寝てました(笑)。
僕もそんな時間にラーメン食べるなんてことずっとなかったから、朝起きたら、おなかがパンパンでしたよね」
と。
そういえば夜の部でキーボードの方を紹介されたとき、ほんとうに腰の低い方という話題になり、その方がお辞儀をされるマネをされたきよしさん。
どんどんエスカレートして(笑)、キツツキのマネになってしまいました~。
もう、ほんとうはやりたくってしょうがなかったんでしょ!
前後しますが、昼の部の後半で、
「デビューのときは、20年も歌えるなんて思っていませんでした。
コンサートをやるようにって、23歳か24歳のときにいわれて。自分にはとても無理だと思ったんです。
歌は大好きですけど、子どもの頃から引っ込み思案で人前で話すのは苦手でしたから。
でも、逃げられない現実があって。
皆さんのおかげで勉強させていただいて、鍛えれました。
ありがたいです」
と、お話しされたきよしさんに、前方のお席の型が一生懸命お声をかけました。
きよしさんはお声の方に近寄ってお話をうかがうと、その方は週3日透析をしなければならず、とてもつらいけれども、透析している間はきよしさんのCDを聴くようにしたら、あっという間に終わるように感じられることを報告されていました。
きよしさんは、ご自身の歌がその方のお力になれていることに感じいっておられる様子でした。
いよいよ「白雲の城」を歌唱されるとき、
「皆さんの心のお城をつくりたいという思いで歌います」
とおっしゃったのです。
そして、夜の部では、20周年を迎えた思いを、オープニングトークで、
「自分でいうのもなんですけど、よく20年も歌ってこられたなって思います。
みなさんがいつも僕の曲を楽しみにしてくださってきたおかげです。
皆さんに喜んでいただきたいという思いで、ここまで歌ってこられました。
こどもの頃から、ひとに喜んでもらいたいと思っていました。
やっぱり嬉しいですよね。喜んでいただけるのって。
そういう思いが演歌と出会いにつながったのかなって思います」
と。
「最上の船頭」の紫色の着流し姿で登場されたきよしさんを、”色香ただよう”と表現された西寄さんに、
「”色香”ってなんですか?」
ときよしさん。
「色気を上品にいった言葉ですかね。なんか梅の香りとかしてきそうな」
とさらに西寄さんが補足されると、きよしさんは、
「今日はなにもつけてない。お風呂にはいっただけですよ~」
とお答えになったのですが、そこからなにやら挙動不審(笑)。
そう、くしゃみがでそうになったのです。
「大丈夫ですか?」
と気遣われる西寄さんに、
「なんか、このへんが。
すいません。今のところ大丈夫です」
とお返事されたものの、またまたくしゃみがでそうな様子で、皆、ハラハラ(笑)。
と、そこで、
「あっ、もう大丈夫、どっかにいきました」
とおっしゃったので、なんだかとてもホッとしたのでした(笑)。
第33回ゴールドディスク大賞の話題になると、
「皆さんに(CDを)お求めいただいているんだなって思って。そのことが励みになります。
今度はどんな曲をおとどけしよう、ジャケットはどんなものにしようと、楽しみになるんです」
とお話しされていました。
そしてラストトークでは、
「コンサートは久しぶだったので、すごく楽しみで。
昨日は11時半には寝て、爆睡しました(笑)。乾燥するのでニベアをぬって。朝は早めに起きたんです。
今日は昼、夜と歌ってきて。
歌を歌える喜びをかみしめています。
これまで様々なタイプの歌を歌ってきました。
日本の風景や日本人の心情が描かれた演歌はいいなあと思います。
でもこれからジャンルにとらわれず、自分のこころのなかにあるものを全部表現していきたいです。
ジャンルにも年齢にもこだわらないで。
こころはいつも26歳でいたいです」
結局、仕事持参のうえ、1泊して帰りの時間を早めることにはなりましたが、コンサートに参加し、神戸の懐かしい方にもお会いでき、4日の取材のお仕事もお断りせずにすみました。
「大丈夫」のふりについて、
「ご自分でお考えになったんですか?」
と、西寄さんがおききになると、
「はい」
と目を輝かせてお答えになったきよしさん。
「曲を聴いたときにバーッとイメージがわいたんです。
都はるみさん!」
とおっしゃると、ステージを縦横無尽に動きながら歌唱されるはるみさんのマネをされて、上手、そして下手にそれぞれ歌いながら駆け寄る仕草をされたのです。
場内大爆笑でした。
きよしさんは、皆の反応にすっかり気をよくされたのでしょう。
「あとね、岸智恵子さんもはいってます」
と、おっしゃると下手寄りから、センターへ、ぴょんぴょんぴょんと、たとえていうなら、野生のカンガルーでしょうか?
岸千恵子さんとうかがって、ご自身の曲を、ねぶたの祭りのように跳ねながら踊る様子を、ずいぶん前にテレビでみた記憶がよみがえりました。
きよしさんは、岸さんのごとくすごい勢いで跳躍され、ときに片足をあげられたので、色香ただようお着物の裾がはだけておみ足が(汗)。
その美しいおみ足に゛キャー゛という嬌声がおこるなか、きよしさんはそのことを少しも意に介さずに、ぴょんぴょんぴょんとセンターに(笑)。
そこで、勢いよく正面を向かれたものですから、いや~ん、わたし、みえちゃいました(汗)。
思わず゛いや~ん゛と、声に出してしまったのはわたしばかりではなかったかと思うのですが、きよしさんはといえば、皆のリアクションに、
「うわっ、パンツみえたかな?」
と。
もう~!
みえたにきまってるでしょ。
せっかく゛色香ただよう゛って西寄さんにほめていただいたのに。
そこで、西寄さんが、フォローされようとして、
「みえとたとしても大丈夫!」
とおっしゃったあと、さらに
「中味がみえなければ大丈夫!」
とさらにひと言。
そうしたら大ブーイングがおこって。
あろうことかきよしさんにまで、
「西さん、仕事中なんですから!」
と冷たくいわれてしまいました(笑)。
もとはといえばきよしさんご自身が、原因なのに...。
でも、ありますよね、こういうとばっちりのような展開(笑)。
立つ瀬のない西寄さんは、
「申し訳ありません。今のは゛大丈夫゛じゃなかったですね」
としょんぼりされたのです。
西寄さん、いつもありがとうございます。
西寄さんが、きよしさんの20周年のお礼をおっしゃったあと、昼夜とも、
「今日まで応援してくださってきた皆様のどなたかおひとりでも欠けていても、今日の日を迎えられなかったと思います」
とおっしゃてくださった言葉がこころにしみました。
ファンへの最大の賛辞をありがとうございます。
多くのファンの方が西寄さんにそのようにいっていただけることに、感激されることでしょう。