暗闇のなかで抜き足、差し足・・・。
シルエットながら、”今ね、嬉しくって、楽しくってたまらないんだよ”と、笑い声まで聞こえてきそうな、きよしさんの様子をみつめて、わたしも思わず、”ふふっ”と笑いがこぼれました。
これから「愛しのテキーロ」を歌う、まさにそのときのことでした。
2700名のファンの前で、セクシーモード全開でこれから歌うその直前に、そんなことができてしまう、きよしさんを頼もしく、そしてたまらなく愛しく感じたのです。
「ほんま、おおきに~」
きよしさんは、オープニングトークから関西弁炸裂(笑)。
熱い熱い”関西パワー”が、大阪(関西)愛”を感じさせるきよしさんの関西弁の響きに、メラメラといっそう燃えあがったことはいうまでもありません。
さて、今日、12月1日は、いよいよ「新・演歌名曲コレクション2 -愛しのテキーロ/男花-」が発売です。
きよしさん、皆さま、おめでとうございます!
そして、4月からスタートした2015年のコンサートツアーのファイナルを大阪フェスティバルホールで迎えます。
最高におめでたいですね。
きよしさんも、昨夜のコンサート・夜の部で、
「日々、自分自身と闘って、今日、こうしてこの舞台に立たせていただけたことに感謝しています」
とおっしゃっていました。
そうですね、誰にとっても1年間、いろいろなことがありますものね。
きよしさんのその言葉に、わたしもまた自分自身の1年間、そしてそのなかで、きよしさんとともにすごさせていただいたことごとが思いだされて、胸がいっぱいになったのです。
昨日は、奈良から堺東駅へ。
きよしさんがデビューキャンペーンでお世話になって以来、ご夫妻で熱く熱く、きよしさんの応援をされておられるヤマブキレコードさんに寄らせていただいて、ニューアルバムをいち早く購入したのです。
店内にはきよしさんのニューアルバムが流れて、まさに”氷川きよしフェスティバル”。
おじゃましている間にも、次から次へときよしさんのニューアルバムを購入される方が来店され、お店は大忙しでした。
※最新のボードのお隣にデビューキャンペーンの折に、
きよしさんがメッセージを書かれたボードを並べてくださいました。
なぜ奈良に寄ったのかというお話やヤマブキレコードさんの様子はまたあらためて書かせていただくことにして、以下は昨日、大阪フェスティバルホールで開催されたコンサート・夜の部の様子をふたたび書いてまいります。
セットリストは、わたしが前回参加させていただいた大宮ソニックシティでと同様ですが、オープニングの「一陣の風」を勇壮かつ雄大に歌ってくださったあとの「白雲の城」に魅せられました。
楽器のようにその身体をしならせ、どこまでもこまかやかにその一音、一音をいとおしむように響かせての歌唱に、歌とはこれどまでに深く、鮮やかにその世界を描きだすことができるものなのだと、歌という芸術の奥深さと、氷川きよしの歌唱の深淵を垣間みさせていただいて、うなるような思いで感動していたのです。
きよしさんは、「白雲の城」を歌いおえ、舞台の奈落へと身を沈める刹那に、その掲げた右手の指を、1本、1本ていねいにおりまげて...。
きよしさんは、自身の放った歌声の余韻をふたたびその身にとどめようとするかのようにもみえ、わたしはみとれたのでした。
ニューアルバムから歌ってくださっている、「戻り雨」と「貴男がすべて・・・」の歌唱に思いっきり惹きこまれたわたし。
聴いていると、主人公たちの姿がイキイキとうかんできて、その表情や声までが映画をみているかのようにうかんできて、そしてきよしさんが、その続きをどんなふうに歌われるのか予測不能で、ドキドキして本当に楽しませていただいたのです。
さまざまなジャンルの歌を、万華鏡のように色彩豊かに、そしてそのあふれる感受性そのままに情感たっぷりに真心こめて歌ってくださる”氷川節”を存分に堪能させていただいて...。
ああ、この歌唱こそが、きよしさんからの今年1年間のすべてへの感謝の思いそのものなのだなあと感じられて、、ありがたさに、じんときてしまったのです。
きよしさん、わたしたちのほうこそ、2015年も(まだ1か月ありますけれども)ありがとうございました。
わたしは、そう心のなかで唱えたのです。
「愛しのテキーロ」を甘くセクシーに歌われると、場内は一気にヒートアップ。
大歓迎の客席を見わたし、たくさんのメッセージボードが揺らめいているのに気付かれると、
「皆さん、ありがとうございます。僕、ボードを読みます」
そう、おっしゃって、ボードに書かれたメッセージをひとつひとつ声にだして読みあげてくださいました。
「えっ? ピースして? いいですよ」
というようなやりとりをかわされて、ますますうちとけたムードになったのです。
「NHK紅白歌合戦」、「レコード大賞」、「有線大賞」への出場、大賞候補になる各賞受賞のお祝いを司会の西寄ひがしさんの音頭でさせていただき、皆で万歳三唱をしたのですが、
きよしさんは、”ありがとうございます”と、お礼をあらためておっしゃったあと、
「素晴らしいのは、皆さんなんですよ。
僕は歌っているだけ...。
歌うこと以外、なにもできないから」
自問自答するかのように思いを言葉にされたのです。
そんなきよしさんに、いっそう大きな拍手がおこりました。
台湾からもたくさんのファンの方がお越しくださっているのに気づかれると、”ありがとうってなんていうんですか?”と、おたずねになり、”謝謝(シェイ シェイ)”と答えがかえってくると、
「ああ、そうか~。
”謝、謝”。皆さん、台湾からありがとうございます。
台湾、ナイス・ピープル。人柄もいい!」
と英語と日本語を駆使しておっしゃると、そんなきよしさんのお気持ちが伝わって、皆さん、ほんとうに嬉しそうでした。
きよしさんは台湾の話題になったので、プライベートで台湾を旅行された折、テレサ・テンさんのお墓参りをされたことをお話ししてくださいました。
少し前の「氷川きよし節」(文化放送)で、お聞きになられた方もおられると思いますが、西寄さんも同行されて、
墓前で西寄さんが「テレサさんの有線大賞の記録をぬりかえた、氷川きよしさんです」
と、語りかけたとたん、急に雨がザーッと降ってきたのだそうです。
すごいですね~。
きよしさんの思いが届いたことを、テレサさんは、きよしさんにわかるように雨でしらせてくださったのですね。
時空を超えて、きよしさんにしかわからないテレサさんの思い、またテレサさんにしかわからないきよしさんの思いが、ひきあい、通いあったのではないかなあと、勝手ながら、わたしには感じられてなりませんでした。
「テレサさんはすごいなあと思います。
だって亡くなられたあとも、ずっとその歌がたくさんの方に歌われていますでしょう。
僕はどうなんだろうって。
僕がいなくなっても、僕の歌を皆さんが歌ってくださるかなって...。
まあ、(そんなことを考えるのは)まだ早いですけどね 。
と、きよしさんは最後は笑顔でその話題をしめくくってくださったのです。
西寄さんが、女性誌で、”抱かれたい男”にランクインされたことを話題にされると(「週刊女性」だそうです)、
「えっ? そんな、皆さん、いいんですか?」
というようなことをおっしゃりながら、”もちろんイエス!”一色ムードの客席に、これでもかと(笑)、エアハグしてくださって、それでもとまどいがちなきよしさんの様子に、
西寄さんが、「きよし君に抱かれたい人?」と聞いてくださったのです。
すると、2700名ほぼ全員が、”は~い!”と勢いよく手をあげて...。
ほとんど色気もムードもありませんでした(笑)。
そんな客席の様子に、”そうでしょう?”というようにはにかむと、
「僕、いつも皆さんを心で抱かせていただいています」
と、告白するようにだいじそうに言ってくださって...。
きよしさんの真心がじわっと伝わってきたのです。
西寄さんが、”きよし君はs、いろんなランキングにはいって、ほんとうにすごいなあ」とおっしゃると、
「”好き”って思ってくれる人がいると、必ず”嫌い”って人もいるんですよね。
それが、”芸能界!”」
きよしさんは、そこでは少しシビアな面持ちでお話しされていました。
そういうふうにさまざまな視点からご自身をみつめることができるからこそ、今日の”氷川きよし”があるのでしょうね。
ここでニューアルバムの紹介をしてくださり、質問コーナーへ。
おひとりめの当選者は2階席の方。
9月に初孫が生まれたので、6歳になったら、きよしさんのコンサートにつれてきたいという夢をいだかれているそうです。
それまでに、きよしさんのCDやDVDを聴かせたり、みせたりされるとことをおっしゃると、
「英才教育はだいじですよ」と、西寄さんがおっしゃったので、大うけになりました(笑)。
おふたりめの当選者は1階席の方。
ニューアルバムに北島三郎さんの「函館の女」が収録されていますが、”そのことで北島さんとなにかお話しをされましたか?” というものでした。
「木曜8時のコンサート」の公開収録でご一緒させていただいた折、収録の旨をごあいさつされたとのことでした。
そのことについてはとりたてて特別なことをおっしゃらなかったそうですが、人にやさしく、あたたかく接する北島さんに多くのことを学んでおられるのだとお話しされました。
めくるめく歌唱は続いて...。
このまま、このときのまま、時間が止まってほしい思いでいっぱいになっていきました。
最後の「一剣」を歌う前のクロージングトークで、
「20周年に、どんな歌手になっているのか。
そのことを日々、イメージして歌っています。
これからも、氷川きよしの歌をよろしくお願いいたします」
きよしさんはそうおっしゃって、静かに深々と頭をさげられたのでした。
※皆さま、旅先のため、駆け足での更新で失礼します。
きよしさんの、”萌え!”発言など、あらためて次々回の記事でフォローさせていただきます。
それではツアーファイナルコンサートにいってまいります。