嬉しさがこみあげてきて、次第に涙があふれて、もうとめようがありませんでした。
歌うほどに、きよしさんの心が感じられて、また涙がこぼれて...。
わたしはペンライトを左手に持ちかえて、きよしさんの雄姿が涙でかすまないように右手で涙をぬぐったのです。
アンコールの幕が開いても舞台の照明はついていませんでした。
暗闇のなかで、光の玉をつないだショールのような電飾がゆらめいて、あっと驚いた瞬間、照明がパッとつき、ブルーを基調にしたロングジャケットの前身頃に三連連(だったでしょうか)の電飾が左右にほどこされ、ときおり光を放って、なんともファンタスティックだったのです。
「それっ!!」
と、きよしさんの勇ましい声が響いて...。
そこで流れてきたイントロに、わたしは耳を疑いました。
えっ? ここでその曲を?
きよしさん、そんなにも嬉しかったのですか?
そして、そんなにもファンに、”ありがとう”って思ってくださっているのですか?
きよしさんの嬉しい思いと、あふれる感謝の思いが伝わってきて、わたしは嬉しくて嬉しくて、涙がとまりませんでした。
「きよしのこの夜Vol.15」の15日・夜の部でのことでした。
皆様、こんばんは。
冒頭に具体的な曲名は書かずに、アンコールでのことを書いてみました。
明日、ご覧になる方もおられるでしょうから、どこからどう書こうかと少し思案したのですが、何の曲なのかにはふれずに、まずわたしの思いを書くことにしました。
とても個人的な思いですが、わたしはほんとうに涙がとまらず、これが、”嬉し涙”というものなのだろうなあと、涙をぬぐいながら思っていたのです。
さて、以下はコンサートの内容にふれるものになりますので、明日の公演、DVDになってからのサプライズを楽しまれたいかたは、よろしくお願いいたします。
デビュー2年目の12月から開催してきた「きよしこの夜」も今年でVol.15。
”きよしこの夜 15周年”ということで、”氷川きよし”の歌の歩み、そして今や世界中にたくさんのファンをもつ”アーティスト”としてのヒストリーをもたどるもりだくさんのコンサートとなりました。
さあ、オープニングはどの曲だったでしょう?
そう、皆様も期待していたのではないかと思います。
舞台中央に、センターステージがセッティングされ、その上手側に階段が曲線を描いて設われており、センターステージの下は空洞になっています。
舞台の天井近くの上部には”HK”の電飾。後方に大きなスクリーンがあり、その周囲にはデコラティブなフレームが飾られ、そのフレームにも電飾がほどこされていました。
舞台の両脇にもスクリーンがあり、きよしさんの一挙手一投足が映し出されていきます。
色調をさまざまに変えるライトとともに、舞台上の何本ものポールや電飾もくるくると色をかえて楽しませてくれるのですが、階段やセンターステージの基調は”赤”になっているようでした。
和太鼓の音が聴こええて聴こえてきました。
太鼓の音は、ひとつだでけはありません。
明かりがつくと、上手、下手にそれぞれ奏者の方がふたりずつ、四台の太鼓の勇壮な音が響いて、スモークが広がり、流れてきたイントロは、
そう、「男花」でした。
センターステージ上に姿をあらわしたきよしさんは、歌舞伎の連獅子を彷彿させるきらびやかで勇壮な出で立ちで、仮面(洋風な人面だったと思います)をかぶって登場されました。
着物は金糸、上に羽織っている着物は緑と金が基調になった模様、袴は金に朱色の変わり格子が描かれていたかと思います。
きよしさんは真っ赤な長い髪のカツラ(赤頭・あかがしら)をかぶって、和太鼓の音さえもその身にまとい、舞うように鮮やかに「男花」をフルコーラス歌唱されたのです。
オープニングから圧巻。
今日、ここに来られてよかったと、幸せにふるえるような思いになりました。
舞台は暗転、鼓の音が響いたかと思うと、耳もとの長い髪をそれぞれの手でしっかりとにぎり、階段をおり、舞台中央に。
「御免」を”連獅子”の衣裳のまま、迫力満点の”大見得”をきりながら歌ってくださいました。
ここで舞台は暗転し、司会の西寄りひがしさんが登場。
「”きよしこの夜”も、皆様に支えていただいて今年、15周年を迎えました。ありがとうございます」
とお礼をおっしゃいました。
西寄さんはこのトークから、流れるように、歌舞伎についての口上を語りだされました。
歌舞伎には大きくわけて、”時代物”と”世話物”のふたつのジャンルがあり、その”世話物”のなかに盗賊を主人公とした”白浪物(しらなみもの)”があるということを、軽やかに解説してくださっていきました。
そのなかの代表作である「白浪五人男」で、活躍した五人衆のひとりが、
「そのひとりが、弁天小僧!」
西寄さんの名調子の口上をうけて、
白っぽい番傘をさし、艶っぽい紫地に牡丹の花が描かれた着流し姿のきよしさんが登場されました。
下駄ばきで、左肩に真白なサラシをかけ、番傘には”志ら浪”と黒地で書かれていたでしょうか。
そこで歌ってくださったのは、ここまで書いているので、もう、いうまでもなく(笑)、
「弁天小僧」でした。
歌いおえると、
「知らざあ言って聞かせやしょう。”氷川きよし”たぁ、おれのことだ~!」
と、威勢よく、啖呵を切るかのようにおっしゃると、
急に素にもどって、
「どうもありがとうございました~」
と優しくしずかにおっしゃったので、ホールにはくすくすと笑いがあふれました。
きよしさんは来場のお礼をていねいに述べられ、
「今日は38歳にちなんで、38曲、歌わせていただきます」
と、きっぱりおっしゃったかと思うと、
「がんばりますよ~。
オリジナルの”股旅演歌”は全曲、歌わせていただきます」
と明るく、そしてご自身を鼓舞されている様子だったのですが、
「あーっ...」
とひとこと発して、
「もう、自分自身との闘いです。これまでも闘ってきましたから...」
と、語尾がまるで自問自答されるようにフェイドアウトしたのです。
どこからこの声がでているのかしら?
人間の声かしら?
と、ここまでの3曲で思わせていただいていたきよしさんでしたが、これからの歌唱にどれほどの覚悟で臨もうとしているのかを、このときのきよしさんの様子から感じて、期待でわくわくしながらも、これからなにがおこるのだろう? きよしさんはどんな歌唱を聴かせてくださるのだろう? と、期待が高まりすぎて怖いような気もちもわいてきて身構えるにして1曲めを待ったのです。
「2000年にタイムスリップします。2000年2月2日、”氷川きよし”誕生の1曲です!」
と西寄さんのナレーションをうけて、
「箱根八里の半次郎」
をワンコーラス、2コーラスめは、
「箱根八里の半次郎~風雲編~」
とアルバムに収録されていますが、なかなか聴かせていただく機会がない懐かしいバージョンを歌ってくださり、続いての、
「大井追っかけ音次郎」
でも、2コーラスめは、
「大井追っかけ音次郎~青春編~」
を歌ってくださり、詩をかいてくださった松井由利夫のお心をとても感じさせていただき、もちろん身構えることなど忘れ去っておりました。
舞台が暗転すると、西寄さんが登場され、今年1年のエピソードをお話しくださるなかで、
”氷川きよしは、歌うと日本1、しゃべるとぽわーん”という、そこがまた魅力的だとおっしゃってくださいました。
ほんとうにそうですね。
ここで、縞の合羽に、手甲脚絆、振分荷物を肩にかけ、三度笠をかぶった股旅姿のきよしさんが登場され、
「花の渡り鳥」、
「月太郎笠」、
「近江の鯉太郎」
と、めくるめく歌唱が続いたのです。
わたしは、最近、読んだいくつかの雑誌のインタビューで、”どの曲も今がいちばん上手に歌えると思っている”と、おっしゃっていたきよしさんの言葉が思いだされて、ほんとうにそのとおりだとその歌唱に惹きこまれておりました。
わたしは、最近、読んだいくつかの雑誌のインタビューで、”どの曲も今がいちばん上手に歌えると思っている”と、おっしゃっていたきよしさんの言葉が思いだされて、ほんとうにそのとおりだとその歌唱に惹きこまれておりました。
「番場の忠太郎」
を歌ってくださると、
舞台は暗転。
三味線の音が聴こえてきて、センターステージの上に立つ股旅姿のきよしさん(と思っていたのですが)に、ピンスポットがあてられ、西寄さんの口上に、ところどころきよしさんの語りも入り、「一本刀土俵入」の物語が展開していき、ふたりの”話りのかけあい”に、一気にその物語の世界に誘われたのです。
センターステージ上にたっている三度笠をかぶった股旅姿の男性は、”忠太郎”ではなく、「一本刀土俵入」の主人公・駒形茂平であることがわかるのですが、その茂平の感情の高ぶりとともにきよしさんの”語り”の声も荒々しくなると、センターステージ上段の茂平もまたそのからだを激しく揺らしたので、客席がその迫力にどよめいたのです。
と、そのどよめきをうけるようにして、タイトルコールされた曲は、
「人情取手宿」。
舞台がほんの一瞬暗転して、パッとあかりがつくと、センターステージ下から姿をあらわしたきよしさんは、浅葱色(といっていいでしょうか?)にすすきが描かれた着流し姿で、帯は紺地に茶系色のこまかな模様が織りこまれていました。
すごい!
こうなると、もはやイリュージョンの世界ですね。
「きよしの森の石松」
「三味線旅がらす」
「浮雲道中」
「大利根ながれ月」
「ちょいときまぐれ渡り鳥」
と、氷川きよしの”オリジナル股旅演歌”全14曲をみごとに歌唱されたのでした。
ちなみに、ここまでで、きよしさんが歌唱された曲数は?
そう17曲。
まだ21曲続くという”贅沢すぎる”構成なのです。
ここで、「きよしのこ夜」が15周年ということで、2001年の第1回めからのハイライトシーンの映像がスクリーンに映しだされていきました。
チーム氷川の皆様も、第1回めを企画していたときには、毎年開催することになること(なったらいいなとは思っていたでしょうけれども)を想像していなかったかもしれませんね。
開催して、参加した皆様(参加できずなくてもDVDやビデオでご覧になった皆様)が感動されて、”来年もぜひ!”という思いに支えられての15年なのでしょう。
「サンタが町にやって来る」、「ホワイトクリスマス」などのクリスマスナンバーがインストロメンタル演奏されると、雪の結晶がモチーフになったフレームが、自在に形を変えて、次の年の映像にチェンジするときには、その結晶が風に舞うようにフーッと広がって、またきよしさんのステージの映像が流れていきました。
2014年、Vol.14まで、思いでの映像が流れると、舞台は暗転。
シルバーのスパンコールの燕尾服をアレンジした三つ揃いのスーツ姿のきよしさんがセンターステージ上段に登場。シルクハットも衣裳と同じシルバーのスパンコールで、ふちや、ジャケットのエリ、ベストの前裾などに真っ白な布がアクセントのようにアレンジされ、左胸には赤いバラ(でしたでしょうか?)、靴は白のエナメルでした。
舞台の天井近くに用意されていたミラーボールがまたたいて、歌ってくださったのは、
KIYOSHIのオリジナル・ナンバーの
「きよしこの夜」 でした。
クリスマスのこのコンサートで聴かせていただくたびに、なぜ、こんなにもまぶしいほどに真っ白なんだろうと、そのきよしさんの”真心”に感動させられ続けてきましたが、今夜もまた、その響きに一面真っ白な雪景色がうかんできました。
その雪景色はなんて美しくて、そしてまぶしくて、雪なのにあたたかさを感じさせてくれたのです。
そんな感動に胸がいっぱいになっていたわたしでしたが、さらにさらに思いがけない曲を聴かせていただくことになり、夢でもみているようでした。
「クリスマス・イブ」 (オリジナルは山下達郎)
「雪は降る」 (オリジナルはサルヴァトール・アダモ)
とクリスマスソングの名曲のカバー曲が2曲つづいたのです。
わたしは「クリスマス・イブ」の前半の疾走感を感じさせるドラマティックな歌唱に聴き惚れていたのですが、後半の、主人公の心そのものをきよしさんが感じてその歌声にのせたかのような”ファルセット”が、この世ならぬ響きに思えて、ただただ感動していました。
ダンサーの皆さん(男性4名、女性2名)も加わってクリスマスコーナーに。
「We Wish You a Merry Christmas」
「もろびとこぞりて」
ダンスをまじえながら、クリスマスソングを歌われ、スクリーンにはクリスマスのモチーフも映しだされました。
舞台は暗転。
きよしさんは上着とベストをぬがれ、照明がつくと、白いシャツにはたくさんのハートが(エナメル素材でしょうか?)で描かれていて、左胸のハートだけひときわ大きな赤だったのです。
カマーバンドも蝶タイも赤のスパンコール、照明をあて、パンツはゴールドにチェンジしたようにみえたのです。
「きよしの Merry X'mas」
をアコースティックサウンドにのせてバラード調で歌ってくださり、きよしさんの心の声そのもののような歌唱に胸があたたかくなり、これが氷川きよしの”愛”なのかしら? と感動してぼうっとした頭の奥で考えていました。
ゴールドのパンツは、演奏がストリングスも加わわったところで、照明の色が変わり、もとのシルバーにもどったようにみえたのです。
続いて階段の上に腰かけて、歌ってくださったのは、
KIYOSHIの、
「キヨシこの夜~Angel of mine~」
でした。
なんて、なんて、やさしくて、あたたかな歌声だったことでしょう。
もう、ここまでで胸がいっぱいになっていました。
つづいては、”今年2015年に発表した曲”を披露するコーナーでした。
白地に黒のスクエアとストライプの変形柄(アフリカンテイストに思えました)のジャケットに黒のサテンのパンツに衣裳チェンジ。シャツは白、エリは黒サテンのヘチマカラー、蝶タイもカマーバンドも黒サテンで、シャツとのボタンは袖口もすべて黒だったのが印象的でした。
「さすらい慕情」
「ひばりの佐渡情話」
「夫婦春秋」
と歌唱され、ここで西寄さんも舞台に。
「この日いちばんの拍手を、氷川きよし君に!」
といってくださいました。
そして、「NHK紅白歌合戦」の16年連続出場を西寄さんの音頭で祝させていただいたのです。
きよしさんは、「皆さんのおかげです、ありがとうございました」とお礼をなんどもおっしゃったあと、
「がんばるぞ~!」
とひとこと。
そして、”エイエイオー!”と、”オー!”のところで右手を挙げられたので、皆もきよしさんにあわせて”オー!”と手を挙げながら声を発して、三度、勝ち鬨をあげさせていただきました(喜)。
レコード大賞や有線大賞についても西寄さんが、その快挙をあらためて紹介してくださり、皆でお祝いしたのですが、
「ありがとうございます。
僕は、当たり前のことだとは思っていません。
思いだします。
デビューのときはキャンペーンをさせていただいて、お客様の前で歌わせていただいていましたが、そのときは、自分がコンサートをさせていただけるなんて思っていませんでしたから。
皆さんがコンサートに足をお運びくださるおかげです」
とここで、年の瀬ということで、年賀状やお歳暮の話題になると、年賀状は筆書きで書かれのですが、まだ。お歳暮は、やはり”かねふくの明太子”と、大宣伝を、通販会社の有名な方の長崎弁まじりの口調でしてくださって、場内大爆笑、説明はありませんでしたが、あまりに似ていたので、皆、”びっくりぽん”でした(笑)。
「勇気をふりしぼって、ステージの上に立たせていただいています。
僕はふだんは恥ずかしがり屋でしょう。
でも、今日は皆さんが来てくださったから」
きよしさんはそんなふうに心の内を、言葉にされると、
「貴男がすべて・・・」
「昭和ノスタルジー」
「戻り雨」
を、ご自身が歌うことを楽しんでいるかのように、情感豊かに歌ってくださり、歌の世界の情景がイキイキとうかんできたのです。
「ええと、3曲、たて続けに? じゃない。ええと、なんていうんだろう? 横並び?違う。怒涛の? ううん」
と、しっくりくる言葉がみつからないようで、自問自答のようにそうおっしゃって(笑)、
「続けて歌わせていただきました」
とおっしゃいました。
コーナーの最後に歌ってくださったのは、
「遠めがね」
でした。
指を丸めて、遠くをみつめる仕草をされたきよしさんには、なにがみえていたのでしょう?
松井先生へのきよしさんのあたたかな思いがしずかにしずかにあの大きなホールに広がっていくようでした。
ここで演奏とコーラスの皆さんによる「情熱のマリアッチ」をアレンジしたインストロメンタル演奏となりました。
演奏がしずまり、哀切をおびたギターの音色とともに、カスタネットと手拍子が鳴り響いて...。
ステージに鮮やかにうきあがったのは、きよしさんのシルエットでした。そのシルエットは、ふだんお召しになっているコスチュームと同じように思えたのですが、ライトがつくと、真っ赤なスーツには地紋があり、ラメやスパンコールがこまかくあしらわれていて、キラキラと表情をかえながら光っていたのです。
ジャケットのエリは黒サテンのヘチマカラー、シャツは大きなエリつきの黒で、その胸元が大きく開かれ、
歌ってくださったのは、
「愛しのテキーロ」
でした。
甘やかで情熱的な歌声が、あの大きなホールに流れている空気を一瞬にして変えてしまったことをわたしは肌で感じて、なんという歌唱力なんだろうと感じ入っていたのです。
きよしさんが歌いおえると、舞台は暗転。
スクリーンの映しだされていた真紅のバラが、パッと散り、その花びらがひらひらと舞っていたのです。
コツ、コツ、コツと靴音が響くと、スクリーンにセンターステージの下へと戻ろうとするきよしさんの後姿が映しだされて、場内に大きな歓声がおこりました
西寄さんが登場し、今年1年をふりかえりながら、出逢ったファンの方たちとの印象的な出来事などの思い出をお話ししてくださいました。
「皆様、今年もありがとうございました。
そして、今日、ここに来たくても来れなかった皆様の方が圧倒的に多いと思います。
この場で、すべての皆様にお礼を申しあげます。
ファンの皆様からきよし君へといただいたお言葉は、すべてきよし君に伝えさせていただきました。
きよし君と皆様との縁は誰にも邪魔することができません。
20周年を迎える年は東京オリンピックです。
”氷川きよしに、歌でオリンピックをもりあげてほしい。”
それがファンの皆様の心からの願いだと思います。
皆様、そんな”氷川きよし”を一緒にもりあげてまいりましょう」
というようなあたたかな言葉で結んでくださいました。
きよしさんは、白地に黒の袴姿で登場し、
「一剣」
を歌唱されると、
あらためてご挨拶をされ、
「皆さんに応援していただいて、最高の1年でした。
コンサートにもお越しくださって、ありがとうございました。
皆さんのために、もっともっと大きくならないとという思いにさせていただいています。
20周年に向かって、近いところでは年末に向かって、がんばります。
よろしくお願いいたします!」
きよしさんは、力強くそうおっしゃると、今度は、
「は~っ」
と大きな声でひとこと(笑)。
そんなきよしさんに、大きな”きよしコール”がおこりました。
きよしさんはだまって、コールに耳を傾けておられましたが、ご自身で区切りをつけるように、
「お別れの1曲となります」
とおっしゃり、皆の”えーっ!”という声に、微笑みながら、
「最後の曲といいましても、そのあとも、いろいろとご準備させていただいていますので」
と言葉をつがれて、皆がくすくすと笑ったところで、ご自身でタイトルコールをされました。
コンサートの最後の曲は、
「白雲の城」
でした。
この曲で34曲め。
スクリーンには月が映しだされ、きよしさんの歌声が、しずかな水面にひとつ、またひとつと波紋が広がっていくように広がっていくいのを感じていました。
せつせつとけれども克明に歌詩の細部までをもうかびあがらせるような歌唱に、ゾクゾクとさせられ、次第にそのうちうに秘めている燃えるような情熱があふれだしひたひたと広がっていくのを感じて...。
”人の世の無常”をみごとに表現しながら、同時に、だからこそ、今、生きていることは奇跡なんだということを実感させていただいて、わたしのすべてが一瞬とまったというか、まるで金縛りにあったような思いがしたのです。
それでまでに33曲の熱唱を繰りひろげてきたことが信じられないほどの、あふれるパワーにみちた歌声は、”命”のもつ無限のエネルギーを、わたしに実感させてくれたのでした。
アンコールでは、幕があくと、「それっ!!」と、きよしさんの声がしました。
流れてきたイントロに、わたしは耳を疑いました。
あれ、だって、このイントロは...。
暗闇のなかに、光の玉をつないだショールのような電飾がゆらめいて、あっと驚いた瞬間、照明がパッとつき、ブルーを基調にしたロングジャケットの前身頃に三連連(だったでしょうか)の電飾が左右にほどこされ、ときおり光を放っていました。
オープニングで演奏された太鼓奏者の方たちも、ふたたび舞台に登場され、息のあった太鼓の音色を響かせてくださっていたのです。
そう、アンコールの1曲は
「男花」
でした。
ブルーを基調にしたロングジャケットに、左右にラメのラインがはいったパンツ、シャツは白、タイは、アスコットタイという平たいものだったでしょうか。ロングジャケットの前立てに沿うように左右それぞれ3連の光の玉をビーズのようにつないだ飾りは、衣裳の色調にあわせて水色にも輝きました。
舞台の上部に、電飾で飾られた”氷川きよし”のボードがおりてきて、曲にあわせて、きよしさんの歌声のようにカラフルに色が変わって、華やかなエンディングでした。
アンコールでもう一度「男花」を歌うという構成ももちろんですが、エネルギッシュに「男花」を歌うきよしさんの笑顔と歌声に、きよしさんがどんなにこの「男花」という曲を愛し、その曲がシングルカットされて、氷川きよしのヒストリーのなかで勝負曲の1曲となったことを嬉しく思っているのかを、勝手ながら感じて...。
きよしさんが歌うほどに、涙がこぼれて、とめようがありませんでした。
きよしさん、こんなに嬉しかったんですね。
そして、こんなにも喜んで、ファンに、”ありがとう”って思ってくださっているんですね。
なんて、誠実な人。
そして、そのことを歌でこんなにもダイレクトに伝えることができるなんて、なんて曇りない心をもった人。そして、稀有な歌唱力をもった人なのでしょう。
ペンライトを左手にもちかえて、きよしさんの雄姿が涙でかすまないようにと、涙をぬぐっても涙はとめどなくあふれてきたのです。
それはただただ嬉しさ一色の涙でした。
続いて
「きよしのニッポン音頭」
を歌唱されると、ロングジャケットをぬぎ、水色のベストとブルーのパンツ姿と身軽になられて、
「きよしのソーラン節」
「きよしのズンドコ節」
と、全38曲を歌唱。
和太鼓の演奏つきの「きよしのズンドコ節」は、勇ましくて、新鮮な響きでした。
※以上、駆け足での更新で失礼します。
曲目はPCでしか見られませんが、赤色に変えて、数えやすくしてみました。
38曲は多分、このカウント方法でよいかと思うのですが、明日、夜の部に参加しますので、また気づいたことなど、次の記事で書いてみますので、記憶違いなど、お許しくださいませ。