「今日はありがとうございました」
きよしさんはそうおっしゃって、ていねいに会釈されました。
当初、この日の歌唱曲として発表されていた「さすらい慕情」が、たくさんのリクエストがあり、「男花」に変更されたという話題を高山哲哉アナウンサーがされ、”まさにファンの皆さんからの”手紙”ですね。氷川さんんはこのことをご存知でしたか?”と聞いてくださると、
「はい。ファンの皆さんの真心を感じて、じんときて...。
それを聞いたとき、涙が出てきて...」
なんだか涙ぐんでいる様子のきよしさんだったのです。
「NHK歌謡コンサート」放送終了後の”歌のプレゼントコーナー”でのこと。
おふたりのかたが歌唱されたあと、”トリ”のきよしさんの登場。
衣裳は放送で「男花」を歌われた際のブルーのスーツのままでした。
「『さすらい慕情』も可愛くて大切な曲なんです。
これまで皆さんと一緒にいろいろあれして、」
高山アナウンサーは、きよしさんの”あれ”を即座にうけとめてくださり、
”ファンの皆さんは、”あれ”といえば、もうおわかりなんですね”
とフォローしてくださいました(笑)。
「ただ『男花』は今の僕の心境とあっているので...」
と、きよしさんは「男花」への思いを言葉にされると、”ありがとうございます”とおっしゃって、
静かに深々と一礼されたのです。
わたしはそんなきよしさんのたたずまいに見惚れていました。
なんて美しいのかしら。
そう感じて、わたしは頭をさげたままのきよしさんをみつめたのです。
どれほどの言葉を尽くすより、きよしさんの感動が心に染み入るように伝わってきた瞬間でした。
「(『男花』の)主人公は男らしくて、芯がすごく強い気がしませんか?」
きよしさんの言葉に、高山アナウンサーが、
”もちろんです”というように、”はい。私もそのように思います”とおっしゃると、
「”うぉらー!”っていう感じで(笑)。
ね、多面性をだしていきたいと思っています」
と嬉しそうな、きよしさんでした。
歌唱してくださったのは「さすらい慕情」でした。
伸びやかでさわやかな歌声を聴いていたら、
”「さすらい慕情」が可愛くて大切”とおっしゃたきよしさんの言葉が思いだされて...。
そうしたら、今年の幕開けは「さすらい慕情」だったなあと、年明けからの出来事がうかんできて、なんだか涙がでそうになったのです。
2コーラス、声高らかに、幸せいっぱいに歌ってくださると、あらてめてお礼をおっしゃり、
”お元気で~!
暑くなってきたので、水分をとってくださいね~”
と高山アナウンサーと並んで客席に手を振りながら、お声をかけてくだいました。
緞帳がスルスルとおりてきて、ステージの照明が落ちても、一生懸命に手を振っておられるきよしさんのシルエットがみえたのです。
終演後は出待ちをしました。
スタジオパーク前はいつにもましてたくさんの人が並んでいるようで、早めに到着したつもりでしたが、なかなか隙間をみつけるのが大変だったのです(汗!)。
きよしさんを待っている間は、「男花」の話題でもちきりでした。
”きよし君、うれしそうだったね”
”なんだか勢いがありすぎて、イントロよりきよし君の動きのほうが早く思えて、ドキドキしちゃった~”
などなど(笑)。
渋谷駅の最終バスを見送って少しすると、きよしさんを乗せた車が地下駐車場からスロープをあがって、こちらのほうに近づいてくるのがみえました。
ファンの列に近づいてくる途中で、車いすにのられた方と付き添いの方が列に並ぶのに間に合わず、スタジオパークの入口付近で足をとめていると、そのことに気づかれたようで、車はスピードダウンしたのです。
わたしの立っていた位置から、車いすにのられている方と付き添いの方がそれぞれにペンライトを振ってきよしさんの車を見送られ、そのまま列とは反対のホール側のほうへ移動される様子がみえたのですが、そのふたつのペンライトの動きの、なんて幸せそうだったことでしょう。
と、きよしさんをのせた車が近づいてきて...。
目の前に笑顔のきよしさんがみえたのでした。
そのすいこまれそうな深いまなざしに、またも見惚れていたのです。
名残惜しくて、そのまま、渋谷公会堂側が見える手すりのほうに移動して、もしかしたら、きよしさんがそちら側をとおってくださるかしら?
と期待して、みつめていると、NHK構内での歓声は次第に遠くなっていって...。
そして、きよしさんを乗せた車が渋谷公会堂側にみえたのでした。
窓枠より高いところで、きよしさんはペンライトをふってくださっていて。
その様子に、”ありがとう~”という、きよしさんの思いを感じて、またもじんときてしまったのです。
皆さま、「NHK歌謡コンサート」、ご覧になりましたか?
きよしさんの思いを早くお知らせしたくて、先に終演後の”歌のプレゼント”と”出待ち”でのことを書かせていただきました。
以下は番組のことと、”歌のプレゼントコーナー”の他のおふたりのこと、そして、開演前の(わたしには舞い上がってしまうほどの)サプライズについて書かせていただこうと思います。
幕が開いた途端、ステンドグラスとシャンデリアが飾られたロマンティックでゴージャスなセットに驚きました。
黒のドレッシーなワンピースをまとった大竹しのぶさんのナレーションに、”愛が綴られた手紙”の世界にひきこまれたのです。
出演者の皆さまはどなたも熱唱でしたが、わたしはとりわけ、きよしさんがカバーされた淡谷のり子さんの「別れのブルース」に聴き惚れておりました。
切なさをにじませた甘く伸びやかな歌声に、時折、凄味を感じて、ドキッとさせられて...。
なんて鮮やかで豊かな歌声なのだろうと、その歌唱の素晴らしさにうなるような思いがしたのです。
真っ白なサマー・ツイードにクリア・スパンコールが付いたスーツをお召しになったきよしさん、優し気でさわやかで、お似合いでしたね。
そして待望の「男花」。
怖いほどの迫力を感じて、感動と相俟って身震いしたのです。
きよしさんは、クリス・ハートさんが、「やさしさに包まれたなら」を歌っておられるときに、出演者の皆さんが舞台下手にセッティングされているボックスシート(待機席)に着席され、きよしさんは「新・演歌名曲コレクション-さすらい慕情-」のジャケットでお召しになっているブルーのスーツにお召しかえされていました。
きよしさんは気合十分な面持ちでしたが、見ているこちらに伝わってくるほどに熱い情熱がほとばしっている、きよしさんでした。
と、そのとき、
”トン、トン”
と、きよしさんは、右手で右足(太腿)を二度叩かれたのです。
緊張をほぐすためだったのでしょうか?
そこでようやく笑みがこぼれ、クリスさんの歌声に聴き入っている様子でした。
にこやかな瞳のその奥で、時折、ピリリとするような緊張がスパークしているようで...。
いよいよ歌唱されるために、森進一さん、増位山太志郎山さんとともにステージに登場されたときには、きよしさんの情熱と緊張がグラグラと音をたてて沸騰しているのを感じたのです。
もちろんそう感じたのは会場の皆さまも同様だったのでしょう。
イントロが奏でられ、ステージ中央に颯爽と進まれるきよしさんに、”大爆発”しそうなほどの歓声がわきおこったのでした。
振付は”テレビ・バージョン”でしたが、イントロでの振りに、すでにドキドキがとまりませんでした。
きよしさんは、なんて意のままに歌うことができるのでしょう?
そのひと節、ひと節に惹き込まれ、息継ぎをするブレスの音にもまた、”氷川節”を感じたのです。
2コーラスめで、”♪エンレコラヤット”と歌う直前のあの”雄叫びのようなうなり”(といってよいでしょうか?
には、鳥肌がたち、ゾクゾクしてしまいました。
まさに、きよしさんが、終演後の”歌のプレゼントコーナー”でおっしゃっていた、”うおらーっ!”という心の叫びそのものだったのでしょうか。
叫ばずにはいられないほどの嬉しさと、20周年に向けての大いなるきよしさんの決意を感じて、胸がいっぱいになりました。
歌い終えて、にこやかにお辞儀をされたきよしさん、幸せそうでしたね。
”完全燃焼”に、ご自身でも満足されていたのでしょう。
ホールではすべての神経がきよしさんに集中していたので(いつものことながらすみません)、高山アナウンサーの曲紹介が耳に入っていなかったのですが、帰宅して録画を見て、”男花”とおっしゃるその響きに、高山アナウンサーの”男花”を感じました。
高山アナウンサーの”渾身の曲紹介”にも、遅ればせながら、胸熱くなったのでした。
終演後の”歌のプレゼントコーナー”のトップバッターは八代亜紀さんでした。
歌ってくださったのは、「心をつなぐ10円玉」。
卒業前の最後の授業で、10円玉の入った袋を手渡して、”つらいことがあったらどんなことでも電話してきなさい”といってくれた先生のことを描いた曲でした。
エンディングのときにお召しかえされていたピンクの柔らかなドレスで歌ってくださったのです。
続いては、いつかは「NHK歌謡コンサート」へと、がんばっている歌手の方を紹介するコーナーということで、登場されたのは、鏡元もとじさん。
「北国のリバーサイド」を歌われました。
音楽活動を始めて3年ほど。メジャーデビューをして1年めということでしたが、
高山アナウンサーの”憧れの歌手は?”という問いに、
”氷川きよしさんです”とお答えになったので、客席から、わっと”歓迎の拍手”がおこりました。
10年間、介護のお仕事をしてきてメジャーデビューを果たした今も続けていらっしゃるのだそうです。
”氷川きよしさんが大好きなので、今日はお会いできて嬉しかったです。
テレビで見るよりずっとカッコイイ方だなーって思って。
憧れの方ですから”
とさらに胸中を言葉にされたので、またも大きな拍手がおこりました。
”氷川さんもむこうで聴いてくださっているかもしれません。
『北国のリバーサイド』、氷川きよしさんと3000人の皆さんのために歌ってください”
高山アナウンサーがそうおっしゃると、ステージ中央に進まれたのですが、とても緊張している様子が伝わってきたので、拍手がおこり、歌いだすと手拍子がパラパラと鳴りだし、次第に広がって大きくなっていきました。
これからも、”氷川きよし”に憧れて、歌手を志し、デビューされる方が続いてくるのでしょう。
厳しい世界だと思いますが、がんばって素晴らしい歌を歌いつづけてほしいですね。
そして、続いて登場されたのが、この日の”トリ”、われらがきよしさんだったのです。
皆さま、ひとりひとりの思いや声が届いて、大きな力になっていくことをあらためて感じたこの日。
そして、制作統括の茂山さんの、”やるなら今!”という英断に、諸々そうだ、今なんだなあと思わせてもいただきました。
番組の感想やご意見はメールでも送れます。
すでに送られている方も多いかと思いますが、声、NHKさんに届けましょう!
以下、他の情報も、皆さまよくご存知と思いますが、念のため載せておきますね。
すでに送られている方も多いかと思いますが、声、NHKさんに届けましょう!
メールの場合はこちらから。
以下、他の情報も、皆さまよくご存知と思いますが、念のため載せておきますね。
手紙は(住所は不要です)、
〒150-8001
NHK放送センター 「歌謡コンサート」係
電話は(ナビダイヤル) 0570-066-066
ファックスは、03-5453-4000
です。
そして文末に、開演前の(わたしにとってですが)サプライズを。
昨日は自宅にいてこまごまとした仕事上の雑事をしていたら、思いがけず時間がかかって、NHKホールに到着したのは6時半近くになってしまいました。
Kさんが仕事で参加できなくなってしまったので、ひとり参加ということもあり、仕事の区切りがつけられなくなってしまったのです。
座席券を引き換えて入場したのですが、まだメールや電話のやりとりをしなければならず。
NHKホールのエントランスは2階になっていて、わたしの座席は別の階でしたがエントランスの2階がいちばん通信状態が良いので、たくさんの人が食事をしたりしてにぎわっていましたが、そのまま階を移動せず、隅のほうで電話をし、引き続きメールをうっていました。
すると、わたしの前を話しながら歩いていく方たちがいて、聞くでもなく会話が耳に入ってきたのです。
女性の方がお知り合いの方をみつけて呼び止め、わたしの前で立ちどまったという様子でした。
”いえ、そんなにいつも良い席になるわけではないんですよ。2階席、3階席になることがほとんどです”
と、男性の声が聞こえてきて...。
大きな声で話しているわけではないのに、とてもとおる声、そして綺麗な声だなあと思った瞬間。
あっ、この声は!
と、その声の主が西寄ひがしさんであることに気づいて、メールをうっていた手をとめて、目の前のおふたりを見ると、間違えるはずもなく帽子をかぶった西寄さんがいらしたのです(嬉!)。
西寄さんもお忙しいなか、観覧にいらしていたのですね。
女性が立ち去り、西寄さんも立ち去ろうとされた瞬間、幸運にも西寄さんと目があったので、
わたしは舞い上がりながらも、
”お声でわかりました。生のお声もとても綺麗ですね”
と申し上げたのですが、
”そうですか? ありがとうございます”
と西寄さんは、にこやかにおっしゃってくださいました。
とてもお元気そうでしたが、まだ少しだけハスキーボイスだったので、
”どうぞ(のどを)お大事になさってくださいね”
といい添えることもできて...。
わたし、先日の越谷でのコンサートでそのひとことを申し上げたいという思いがわいてしかたなかったのですが、もちろん無理なこと。
でも、それが現実のことになるなんて。
そして、やっぱり以前、階段でお見かけして、”西寄さんに似ている人だなあ”と思った方は、やっぱり西寄さんだったと合点したのですが、
”私も皆さまと同じ、氷川きよしのファンでございます”
と時折、おっしゃる西寄さんの言葉を思いだして、じんときてしまったのです。
と同時に、ステージの上だけでなく、舞台裏やプライベートでも多くの時間をすごされている西寄さんが、ステージでの生のきよしさんをご覧になりたいと、NHKホールに足を運び、ファンのわたしたちと同じように座席引換の列に並んで入場されることに感動せずにはいられませんでした。
「NHK歌謡コンサート」は生放送されるのでリアルタイムで見ることができても、できることならホールで観覧して、ライブ空間できよしさんが発するすべてを感じたいと思う私たちファンと、同じ思いを抱いのことでしょうか?
きっとそうですよ、ね。
それにしても、そんな司会者の方ってほかにいらっしゃるかしら?
でも、そんな西寄さんだからこそ、ファンの気持ちを余すことなく掬いとってくださり、
”なんでこんなにまでファンの気持ちをわかってくださるのかしら?” と、その真心あふれるトークで”氷川きよしコンサート”を盛り上げてくださることができるのでしょうね。
さあ、皆さま、来週はいよいよ舞浜アンフィシアターで
”KIYOSHI special concert2015~KIYOSHI'S SUMMER~”が開催されますね。
28日・29日の両日、計3公演。
今から楽しみです。
こちらはイープラスのPR動画です。
すでにご覧になられた方も多いかと思いますが、共有が許可されているので、こちらにもこのタイミングでアップしますね。
では、皆さま、駆け足での更新で失礼しました。
またお逢いできますように!