「♪どうしてうたうの そんなにしてまで
ときどき私は 自分にたずねる」
きよしさんは、語るように歌いだされました。
この日、初披露の美空ひばりさんの「歌は我が命」という歌でした。
きよしさんはこの歌を歌われる前に、日本の歌姫である美空ひばりさんについて、
”一度お会いしたかった方のおひとりです”
と前置きされ、
その歌からひばりさんの人柄や性格、日々をどう生きていたのかを感じるのだとお話しされると、
「歌手としてとても共感します」
と、とりわけ深い思いをいだかれている1曲であることを言葉にされました。
そして、
「今日はこれからその歌を歌います。『歌は我が命』!」
きよしさんはタイトルコールをされると、静かにお辞儀をし、ステージのセンターから下手側へと...。
お召しになっていたのは、ロング丈のジャケット(フロックコート)の三つ揃いのスーツ。光沢のある明るめのネイビーカラーに大きくシルバーの格子柄がフリーハンド調に描かれ、シャツは白、蝶タイはスーツと共布でした。
「♪心のなかまで 土足で踏まれて
笑顔のうしろで かげ口きかれて
ラララ....... ラララ......
それでも私は
うたい......うたい続けなければ
その胸で私の歌 うけとめてくれる
あなた! あなた! あなた!......
あなたがいるかぎり」
後半の”あなた! あなた! あなた!......”というフレーズは、客席を指さしながら歌唱されているひばりさんをの映像をテレビでみたことがありましたが、このような思いが描かれた歌だとはこのときまでわたしはしりませんでした。
1コーラス目を声高らかに熱く歌いあげると、静かに上手側へと移動されたのですが、そのとき、わたしには、きよしさんがまとっている空気が一瞬かわったような気がしたのです。
上手側で足をとめると、ほんの、ほんの一瞬でしたが、こみあげそうになるのをぐっとおしとどめられ、奏でられているイントロに耳を傾け、2コーラス目を歌いだされたのでした。
「♪この次この世に 生まれた時にも
やっぱり私は うたっているだろう
昨日のかなしみ こころに埋めて」
まる17年、きよしさんの歌を聴かせていただき、みつめさせていただいてきたわたし。
なぜ、こんなに惹かれつづけているんだろう?
という果てない問いへの答えが、その歌唱にはありました。
「♪歩こう自分で 選んだこの道......
ラララ....... ラララ......
それでも私は
うたい......うたい続けなければ
いつの日も私の歌 待っていてくれる
あなた! あなた! あなた!......
あなたがいるかぎり」
きよしさん、その素晴らしい歌唱の、その笑顔のかげには、デビュー以来ずっとトップを走りつづけてきた”氷川きよし”ゆえの、はかりしれない悩みや葛藤があったのでしょうね。
でも、きよしさんがひばりさんの歌唱に、そのすべてを感じるとおっしゃったように、わたしにはきよしさんの魂の叫びのような思いを、このときの歌唱と振る舞いに感じて...。
涙をおしとどめることができずにいました。
すべてを誰のせいにもせず真っ向からうけとめて、自分自身と戦って戦って、のりこえてきた”氷川きよし”の歌声に聴き惚れ、その輝きに見惚れながら、思えば1999年の秋に”氷川きよし”の存在をしってからまる17年。
なぜ、惹かれつづけ、こうしてその感動をブログに書きつづけているのか、その理由(わけ)を、わたしになりにではありますが、感じとって。
なにものにもはばかることなく、ますます、”氷川きよし”のファンになっている自分がいたのです。
昨日はお昼すぎに帰宅して、正直を申せばそれほどさし迫ってしなければならないことはなく、夕方くらいからブログを書こうと思い、実際になんどかPCに向かおうとしたのです。
ところがきよしさんの「歌は我が命」の歌唱が思いだすと、その感動にまた涙がこぼれそうになって。
ところがきよしさんの「歌は我が命」の歌唱が思いだすと、その感動にまた涙がこぼれそうになって。
こんなにも感動していては、しばらく思いを言葉にすることはできそうもないと思えたので、先にうれしいおしらせの記事をアップさせていただいておりました。
12月26日付のオリコンアルバムチャート総合第3位!
「新・演歌名曲コレクション4-きよしの日本全国 歌の渡り鳥—」の素晴らしいスタートに幸せな思いになっています。
さて、以下はながれにそってディナーショーの様子を書いてみようと思いますが、
最初に放送日は未定ですが、「1周回って知らない話」(日本テレビ系)の取材がはいっていたことをお伝えしておきますね。
豊田順子アナ、川田裕美さん、藤田ニコルさん(のお三方と思います)が開演前のロビーの様子、グッズコーナーなどくまなくまわられ、いくつかのテーブルを取材され、ショーも観覧されていました。
テレビカメラがショーの様子も収録し、終演後も取材がつづいたそうですので、テレビでじっくり紹介してくださるのではないでしょうか。
放送が楽しみですね。
※ステージ上手側から写メした映像です。
いよいよスタート!
ながれてきたイントロは?
そう、「クリスマスがめぐるたび」でした。
シルバーのスパンコールの燕尾風ジャケットに白のパンツという三つ揃いのスーツ。帽子もシルバーのスパンコールがあしらわれた高さを抑えたシルクハット。
きよしさんは一礼されると、軽やかな足どりで、ステージセンターの階段をおりてこられたので、会場には嬉しさとときめきいっぱいの大歓声がおこりました。
「クリスマスがめぐるたび」を歌いながら、きよしさんはステージを背にして左手(ステージからすると上手)にすすまれ、ところどころで足をとめてその場その場で目の前におられる方に向けても歌われたので、その周囲から、”キャーッ!”という歓声もおこって、そのたびどよめきがおこったのです。
客席の周囲をぐるっと一周する形で、
「Jewel(ジュエル)」
そして、「きよしの Merry X'mas」までを歌唱されると、今度は階段をのぼってステージセンターで、ご挨拶されたのでした。
「次の曲は僕の19歳のときの思いが描かれています。
『ラヴ・イズ・オーヴァー』を作詩・作曲された伊藤薫先生につくっていただきました。
僕の体験が9割はいっております(笑)。
ねっ、『ラヴ・イズ・オーヴァー』、しってます?」
きよしさんはそうおっしゃると、アカペラで、「ラヴ・イズ・オーヴァー」をほぼ1コーラス歌ってくださったのでした。
いつか「ラヴ・イズ・オーヴァー」もアルバムにいれていただきたいですね。
※ステージを下手側から写メした映像です。
ステージ下手側にはグランドピアノがおかれ、その前には黒いソファー。
きよしさんは、ステージ下手寄りの黒いソファーにすわると、からだを半身センター側に傾けて、
「君がいないクリスマス」
を歌ってくださいました。
そこでステージは暗転。
司会の西寄ひがしさんが登場されました。
今年1年の氷川きよしの活躍を紹介され、コンサートツアーで一緒に全国各地をまわって、出会ったきよしさんのファンの方の思い出をお話しくださったのです。
つづいて、スカイブルー(照明のかげんでネオンブルーにもみえます)に細かな三角の地紋がおりこまれたスーツをお召しになっていました。
「箱根八里の半次郎」を歌ってくださると、西寄さんをまじえてのトークとなりました。
ステージをおりて場内一周して歌唱された感想を西寄さんがおたずねになると、
「歌いやすいですね。
やっぱり目の前にたいせつな人がいてくださると、その方にお届けできるから」
きよしさんはそこで、
「だから!」
と大きな声でおっしゃると、
「シューッと!」
と、客席にむかって右手をさしだされたのです。
西寄さんが衣装の素晴らしさを称賛され、
「きよし君の場合、布地を染めからつくるものもありますから」
とおっしゃると、
「染粉で染めて」
と、リアクションされたきよしさん。
古めかしい言葉に笑いがこぼれると、
「ハンガーをえもんかけ、タートルをトックリって僕、いいますから(笑)」
と補足を(笑)。
「NHK紅白歌合戦」への17年連続出場を西寄さんがインフォメーションしてくださり、あらためて皆で万歳三唱をしたのです。
「初出場のときは、北野武監督と志村けんさんが応援にきてくださって、その翌年も来てくださいました。
ほんとうにありがたかったです。
これまで僕はそんなふうに素晴らしい先輩の胸をかりて、歌ってこられたんで...」
と、そこまでおっしゃると、思いに言葉がおいつかなくなってしまわれたようで、
「ござる!」
と、きよしさんがまとめられたので(笑)、大爆笑となりました。
そして、「白雲の城」を熊本城から生中継で歌唱されることについて、
「とても光栄です。
それに『白雲の城』は僕のなかでナンバー3にはいる曲で」
きよしさんは思わずそういってしまってから、
「あっ、でも○○も大事な曲ですし、○○も、○○も、○○もと、他の曲のシングル曲のタイトルをいくつも挙げられて、そう、全部大事なんですけれども、その中でも25歳のときに、それまでと毛色のちがう曲ということで歌わせていただいて、紅白でも”トリマエ”ととらせていただきましたから。
当日は激励の思いで、”一生懸命がんばっていこうよ!”という思いをこめて、『白雲の城』を熱唱させていただきます」
と頼もしくおっしゃったのです。
きよしさんは、あらためて今年1年の感謝の思いを言葉にされると、
「皆さん、いつもまごころのお手紙やお品、食物(ショクモツ)をありがとうございます。
ありがたくて、お礼をいいたくなって。
でも、どうやってお礼を伝えたらいいんだろう? どうしたら伝えらられるだろう?
と思って、夜、眠れなくなることがあります。
でも、やっぱり僕には歌でお伝えして、お返しすることしかできないから...。
それでつくったのが2曲!
『きよしの日本全国 歌の渡り鳥』と、『クリスマスがめぐるたび』なんですよ」
と、きよしさんは、この2曲が、ファンへの自分のお礼の思いそのものなのだということをあらためて言葉でもつたえてくださったのでした。
また、来年2月5日から新章”宇宙サバイバル編」に突入するテレビアニメ「ドラゴンボール超(スーパー)」の新オープニング曲を歌唱される話題になると、
「僕、もう、嬉しくて。死んでもいいくらい嬉しい思いなんです。
僕も父も『ドラゴンボール』が大好きで、毎週、雑誌を買っていたんです。
その雑誌をね、父と、”俺が先だ~”ってとりあって、ひっぱって、破いてしまったこともありました(笑)。
そのくらい大好きで。
僕、悟空になりたかったんですよ~」
すっかり少年のようにほほを紅潮させて語るきよしさんに、
「もう、演歌界の悟空になっていますよ」
と西寄さんがひとこと。
その言葉に、きよしさんは、”そうかなあ”というように嬉しそうに微笑まれ、
「だから、もう、死んでもいいくらい。
それぐらい、嬉しいです」
ときよしさんはおっしゃったのです。
※メッセージカード&メニューです。
「自分でイメージを固定させず、いろいろなことに挑戦していくことが僕の課題だと思ってやってきましたから。
これからも偏らず、(いい意味で)裏切って、いろんなことに挑戦しながら、演歌の王道を歩んでいかれたらと思っています」
きよしさんはそこで、まだなにかおっしゃろうとして、
「歌であれして!」
と。
もう~、どんな言葉よりも、”あれ”のひとことで、きよしさんの思いがつたわってきたのです(笑)。
ここで、ディナーショーならではということでアレンジをかえて「みれん心」と「満天の瞳(ほし)」、そしておなじみのバージョンで「星空の秋子」を歌ってくださることになりました。
「みれん心」は、アコースティックギター伴奏で、
「満天の瞳(ほし)」は1コーラスめはバイオリンとピアノによる伴奏で歌ってくださいました。
「満天の瞳(ほし)」にいたっては、歌詩が心にしみてしみて...。涙がこぼれたわたしでした。
ここでステージは暗転。
「東京音頭」のインストロメンタル演奏がはいりました。
ここからは”東京の歌スペシャル”というテーマに。
きよしさんは、この記事の冒頭に書かせていただいている、ネイビーにシルバーの格子柄のはいったロング丈のジャケットの三つ揃いのスーツにお召し替えしていました。
歌ってくださったのは、
「東京ラプソディ」
「東京キッド」
「東京五輪音頭」
「東京の灯よいつまでも」
「東京だョ おっ母さん」
のスペシャルな5曲でした。
ここで、冒頭のひばりさんの話題となり、
「歌は我が命」を歌ってくださったのです。
それは奇跡のような魂の歌唱にわたしに思え、とどめようもなく涙があふれたのでした。
歌いおえると、サッと照明がおち、きよしさんのお顔はわたしにはみえませんでしたが、きよしさんもまた泣いておられたでしょうか。
わたしには、そんなふうに思えてなりませんでした。
※エントランスのツリーです。
じつは周囲にたくさんの人がいるんですよ~。
きよしさんは白地に黒の袴をお召しになってステージに登場されると、
「おとこの詩(うた)」
を熱唱されました。
ファンのお客様の前で歌うのは、今年最後ということで、あらためてお礼をおっしゃり、素晴らしい演奏で支えてくださったバンドの皆さんにも、
「1年間、体調の悪いときもあったと思います。
それなのにどんなときも、笑顔で演奏して僕を支えてくださったこと、僕、生涯忘れません」
と感謝の思いを伝えられ、照明さん、音響さん、スタッフの皆さん、そしてファンに、あらためて過分すぎるほどのお礼の言葉をかけてくださったのでした。
「いよいよお別れの曲です」
きよしさんの言葉に、”えーっ!という大きな声がおこったことはいうまでもありません。
きよしさんは嬉しそうに、そして少しはにかんで、
「歌手なんだからあまりしゃべるなって。師匠の水森先生にいわれるんです。
この間もフォーラムに来てくださって。
歌手は歌で伝えるものだって。
僕、しゃべりすぎですかね?
あまりしゃべらないほうがいいですか?
そうだ、僕のプロフィールを歌にしたらいいですかねっ!」
そうおっしゃると、
「僕は氷川きよしだよ Yo!
福岡博多にYo! Yo! Yo!
9月6日に生まれたよYo! Yo! Yo!
演歌歌手をしています Yo!」
というような感じで即席でラップ風に歌われ、手拍子がおこりました。
”もうお別れ?”と名残惜しさいっぱいのファンへの、きよしさんからのプレゼントと、勝手ながらうけとめさせていただきました。
いよいよ「白雲の城」。
Zeppツアー、そして先日の「きよしこの夜Vol.16」で聴かせてくださった歌い方といってよいでしょうか。
ビブラートをきかせたしみじみと、けれども深くドラマティックな歌唱だったのです。
その歌唱に、その日の熱唱にわれるような拍手がおこるなか、ステージは暗転。
きよしさんが上手袖にはいっていかれると、すぐに”きよしコール”がそこここでおこったのです。
このとき、”きよしコール”の音頭をとってくださったのはどなただったと思います?
なんとHKピュアリバーのリーダー藤林さんでした。
藤林さんが頭上で手拍子されているのに気づいた人の”きよしコール”と手拍子がますます大きくなったのです。
きよしさんは、先日の「きよしこの夜Vol.16」でお召しになった全身ヒョウ柄のスーツで登場されると、
1曲めに、「きよしのへっちゃらマンボ」を歌ってくださいました。
もちろん、バージョンアップした”ひが美ちゃん”もあらわれて、場内は笑いがあふれて、わくにわいたのです。
まさか、ここで「きよしのへっちゃらマンボ」を歌ってくださるとは思っていなかったので、ほんとうにサプライズな贈り物と感じたのです。
そして、
「きよしのソーラン節」
「きよしのズンドコ節」
と渾身の歌唱を聴かせてくださり、終演となりました。
終演後は出待ちをしました。
取材がはいっていて、終演後も収録がつづくので遅くなる旨、係の方からおしらせがありましたが、この日は終日あたたかかったですし、なによりきよしさんの歌唱と素晴らしいステージにハートがローストしていましたので、少しも苦にならなかったのです。
”そろそろですよ~”
と係の方が声をかけてくださると、きよしさんをのせた車が近づいてきました。
きゃっ 、もう、どうしましょ!
きよしさんは伸びあがる様にして、車の窓から思いきりお顔をだしてくださっていたのです。
この日、いちばんドキドキしたでしょうか。
そして、2ステージと取材を終えたあとだというのに、こんなにもまごころを尽くしてくださっていることにまたじんときたのです。
笑顔のきよしさんが。
そして、”ありがとうございます”というお声も聞こえて...。
幸せがあふれだしてきたのです。
きよしさん、素晴らしいステージをありがとうございました。
”氷川きよし号”に乗せさせていただいて、どこまでもついていかせてくださいね。
※皆さま、思いが言葉にまとまらなくて、お時間いただいてごめんなさい。
読みなおしができていないので、誤変換、記憶ちがいなど、お許しくださいませ。
そして、
文末に、あらためて「歌は我が命」の歌詩を。
歌は我が命
作詩:吉田正 作曲:井上かつお
どうしてうたうの そんなにしてまで
ときどき私は 自分にたずねる
心のなかまで 土足で踏まれて
笑顔のうしろで かげ口きかれて
ラララ....... ラララ......
それでも私は
うたい......うたい続けなければ
その胸で私の歌 うけとめてくれる
あなた! あなた! あなた!......
あなたがいるかぎり
この次この世に 生まれた時にも
やっぱり私は うたっているだろう
昨日のかなしみ こころに埋めて
歩こう自分で 選んだこの道......
ラララ....... ラララ......
それでも私は
うたい......うたい続けなければ
いつの日も私の歌 待っていてくれる
あなた! あなた! あなた!......
あなたがいるかぎり