「まだまだ未完成な氷川きよしでございます」
きよしさんは、「ちょいときまぐれ渡り鳥」を歌唱されたあとのトークでそんなふうにおっしゃいました。
そして、
「日々努力をして、老若男女(やっぱり”ロウニャクニャンニョ”になってしまいました・笑)の皆さんに愛される”氷川きよしづくり”をしていきたいと思っていますので、これからもよろしくお願い申しあげます」
と言葉を継がれると、静かに深くお辞儀をされたのです。
大きな拍手と歓声がおこると、
「皆さん、サイコー!」
とひとこと。
客席が一気に沸きかえると、
「イェーイッ!!」
と満面の笑みで右手をかかげられました。
相模女子大学グリーンホールでのコンサート、夜の部でのこと。
オープニングトークで、
「皆さんのおこころにドーンと!」
と、きよしさんがおっしゃったときの迫力に場内がどよめくと、もう一度、力をこめて、
「ドーンとお届けできるよう、魂をこめて唄わせていただきます」
と、”ドーン”を2回もおっしゃって、オープニングから力みなぎるきよしさんだったのです。
この日のチケットは昼夜とも完売。
わたしは午後から東銀座にある映画会社の試写室に寄って、長瀬智也さん主演の「空飛ぶタイヤ」をみさせていただいて、その足で相模大野駅に向かいました。
5時に会社をこの日は半休することができたKさんと待ち合わせてちょこっとお茶してから会場へむかったのですが、ホールへも道々、”チケット譲ってください”というメッセージを書いた用紙をかかげた方が何人もおられて。
きよしさんのさらなる人気の高まりを実感したのです。
皆さん、無事に入場できたでしょうか。
※チケットは昼夜ともソールドアウトと超人気!
”ふれあいコーナー”に入る前の、司会の西寄ひがしさんとのトークで、
「絶好調ですね!」
と西寄さんが、そこまでの熱唱への絶賛の思いをこめておっしゃると、
きよしさんは、
「そうでもないです~」
と(笑)。
もう、最近、正直すぎますねっ!
完璧主義者のきよしさんですものね。、
でも、そんな言葉も、きよしさんなりに納得にいく歌唱ができているからこそ出てきたものなのだろうなと、オープニングからの歌唱に感動していたわたしは思っておりました。
前夜の「うたコン」での「きよしのズンドコ節」の歌唱の話題になると、
「『きよしのズンドコ節』のように、自然にコールがおこる歌をお持ちっていうのは素晴らしいことですね」
と、西寄さんがおっしゃると(一応前夜、簡単な練習をしておりましたが・笑)、
「ありがとうございます」
とお礼を述べられると、
「♪タラタッタ、タラタッタ、タラララララ~、タラタッタ、タラタッタ、タララララ~」
と嬉々としてきよしさんがイントロをアカペラ歌いだされて...。
「タ~タ~タタタ(で声がひっくりかえって・笑) タララララ~」
とまだイントロがつづいたので、その展開に、わたしたちはどうすればいいのかしら? と、皆、ドキドキしながら
きよしさんの”アカペラ・イントロ歌唱”に耳を傾けていたのです。
きよしさんはどうも、後先を考えずにこころのままに唄いだされてしまったたようで(笑)、
「タ~タタタタ、タッ、タッ、タッ、タッ」
と、イントロで力尽きて(?)、アカペラ歌唱をストップしてしまったのでした(笑)。
”は~、疲れたけど、気はすんだよ~”という様子のきよしさんに、
「”きよしコール”までいきつかなかたじゃないですかっ!」
と西寄さんが厳しくおっしゃったので、場内大爆笑。
そのとき、きよしさんがとても満足された面持ちだったので、とても幸せな思いになったのです。
ここで、5月29日にリリースされるニューアルバム「新・演歌名曲コレクション7-勝負の花道-」のおしらせとなりました。
オリジナル曲の1曲目となる「きよしの人生太鼓」には、深い思い入れがあるきよしさん。
「以前から、氷川きよしの『無法松の一生』をつくっていただきたいと思っていて、お願いしてできあがった曲です。
九州男児の心意気が描かれていて。
玄界灘の荒波を感じさせるものになっています。
1コーラス目と2コーラス目の間に、”アンコ”がはいっています」
ときよしさんが一気におっしゃると、すかさず西寄さんが、
「”アンコ”っていっても、小豆のアンコじゃありませんよ。1曲のなかに、節のちがう曲が入ることを、われわれの業界では”アンコ”といいます」
と解説してくださったのですが、横で、ふんふんときいておられたきよしさん、待ってましたとばかり、
「うんこじゃないですよ」
と嬉しそうにひとこと(笑)。
そこは即座に西寄さんが、
「きれいなタキシードををお召しになって、なんてこというんですか! スターは”うんこ”なんかしませんからっ」
とお諫めに(笑)。
きよしさんは、
「はい。僕はそういうのはしません」
としたり顔でおっしゃると、
「でもオナラはレモンの香りです。季節によっては金木犀の香りです」
と思いっきり迷走することに(笑)。
前列の方がお顔をしかめておられることに気づかれたようで、
「あっ、前の方がひいていらっしゃる。
すみませ~ん。育ちがいいものですから(笑)」
ときよしさんがおっしゃって、”アンコ談義”は収束したのでした。
オリジナル曲でこのコンサートのなかで唄わない「のんき節」だけ、一部分をできたてほやほやのCDで聴かせてくださいましたが、こぶしがきいていて、とても気持ちのよい曲と感じて。
CDを早く聴きたくなったのです。
そして、ニューアルバムの発売記念イベントを、発売日の前日の5月28日に新橋のSL広場で開催されることを西寄さんがインフォメーションされると、
「雨が心配ですね~。
以前、雨降ったことありましたから。ええと『しぐれの港』のときでしたよね」
きよしさんはそうおっしゃると、振り付きで、
「♪”ここは、しぐれ~の~”、でしたっけ?」
とひと節唄われると、そう問いかけられ、
「あとは...」
と先細りに(笑)。
それだけたくさんの曲を唄っておられるということですよね。
そして、先の「きよしのズンドコ節」のイントロ歌唱しかり。
自然体のきよしさんの魅力をこころいっぱい感じて、幸せな思いになったわたしだったのです。
この日から明治座さんでの1か月座長公演の抽選受付が始まり、来場時にも美しい二つ折りのチラシを配布してくださっていたので、公演のインフォメーションもありました。
「1か月明治座に滞在しておりますので、よろしかったらお越しください。
途中、へばっているときもあるかもしれないですけど、がんばりますので。
恋之助という旅役者の物語なんですけど、涙あり、笑いありのストーリーになると思います。
まだ台本をいただいていないので、詳しいことはわからないのですが。
ええと、5分くらいで終わります(笑)」
と。
そこは、「5分じゃちょっと短いんじゃ」
と西寄さんが笑いをかみころしながら(笑)、公演は2部構成で、お芝居は1時間45分くらいの尺になることを補足されておりました(笑)。
もう、5分じゃきよしさんがでてこないうちに終わっちゃうんじゃないかしら?
”ふれあいコーナー”のおひとりめの方は、1階席16列におすわりの方。
北海道旭川市在住ですが、相模原の息子さんのお宅に10日ほど滞在し、このコンサートには、息子さんのお嫁さんと一緒に来場されたということでした。
今年は北海道ツアーがないので、なんとしてもという思いでこの日のコンサートにいらしたそうです。
今、82歳。昨年は膝の手術をされ、帰宅したら腰の手術をされるということでした。
このホールに来たらお昼は隣の伊勢丹で天ぷらをめしがることを楽しみにされていてこの日もいただいたのだそうです。
「また手術するんでしょ。怖いでしょう」
と、きよしさんがおっしゃると、
”大丈夫です。またコンサートに来たいから”
というような心強いお返事がかえってきて、大きな拍手がおこりました。
おふたりめの当選者は、2階席におすわりの千葉県茂原市からお越しの方。
今では”きよ友さん”ですが、もともとは”ママ友”で、ママ友歴30年というお友だちと来場されていました。
お孫さんが、長良グループのカラオケ大会に出たいといって、応募をされたそうですが、歌唱のアドバイスをきよしさんにいただければというメッセージを書いておられました。
そのお孫さんが小さい頃、その方が預かっていたので、お孫さんはきよしさんの曲を一緒に聴いて育ったのだそうです。
そのお孫さんが小さい頃、その方が預かっていたので、お孫さんはきよしさんの曲を一緒に聴いて育ったのだそうです。
きよしさんは、
「そうですね~。
うまく唄うっていうより、一生懸命唄っていることに感動しますよね~。
僕も演歌と出逢ったのが16歳のときで遅かったから、とにかく一生懸命唄っていました」
そうおっしゃると、緊張のあまりマイクをぐるぐるまわすジェスチャーをされ(笑)、
「そうやって一生懸命唄っていたから、声をかけていただだけたんだと思います。
とにかく一生懸命唄うことです」
とお答えになって...。
わたしは以前、きよしさんはまぎれもなく歌の天才だけど、それと同じくらい、”一生懸命の天才”、”努力の天才”でもあると思うと、このブログに書いたことを思い出して、じんときていました。
天性の歌声と歌唱力あっての一生懸命さと努力ではあるかもしれません。
でも、きよしさんご自身がなにより”一生懸命さ”を大事にされていることを再確認して、胸がいっぱいになったのです。
きよしさんがトークをされている間に、ステージにソファがはこびこまれ、
「わたしのふるさと」
を唄ってくださると、
「この歌を唄うと、このコンサートで唄わせていただくこの場が、僕のふるさとなんだという思いを強くさせていただきます」
と、おっしゃったのです。
※以上駆け足での更新で失礼します。
こちらは開演前に目に入ったホールの2階のロビーからの風景です。
それではまた笑顔でお会いできますように!