”♪どんなにせつなくても 必ず明日は来る”
純白の衣裳を身にまとったきよしさんは、ステージの暗闇にスッと立ち、ピンスポットを浴びると居住まいを正され、祈るように唄いだされました。
ステージの少々下手寄りで、出だしの数フレーズを語る様に静かに唄われる、フルオーケストラによる伴奏が奏でられ、きよしさんはステージ中央に歩まれる、せつせつと唄いだされたのですが、音域の広いこの曲で、低音部では包容力あふれる響きで聴く者を強く抱きしめ、高音部では高く高く天を仰ぐように豊かに、そして傷ついたこころの傷を癒すように優しくあたたかく響かせたのです。
昨夜、名取市文化会館でおこなわれた”明日へつなげるコンサート”でのフィナーレに登場されたきよしさんは、純白のロング丈のジャケットのタキシード（ブロックチェックの地紋がついています）にお召し替えされて登場されました。
わたしはきよしさんの歌声に身もこころも委ねて聴き入っていました。
広がる海、深い深い海．．．。
仰ぐ青空．．．。
いつしか夜空に変わって、またたく星．．．。
人のぬくもり。
雄大な自然の厳しさ、そして優しさ。
ああ、なんてちっぽけな人間。無力な人間。
ううん、違う。
ちっぽけなんかじゃない。その思いは誰かに伝わる。広がる。
きよしさんが、
”♪たった一度の人生に あなたとめぐりあえたこと 偶然を 装いながら奇跡は いつも近くに居る”
と、そう唄われたとき、 そんな思いでいっぱいになったのです。
”♪僕は神様でないから 奇跡を創ることは出来ない けれどあなたを想う奇跡なら 神様に負けない ”
”大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい”
”あなたは気付かなくても いつでも隣を歩いていたい”
”大きな夢になりたい あなたを包んであげたい”
きよしさんは、祈るように、そしてご自身の思いを重ねているかのように唄われて．．．。
わたしにはきよしさんが発するそのひと節ひと節を、愛しい思いでうけとめていたら、きらきらっと光輝く”言葉の玉”をいただいてるような思いになったのです。
”♪あなたの笑顔を守る為に多分僕は生まれて来た”
というフレーズはきよしさんの生きざまにも思えて．．．。
あたたかな思いでいっぱいになった瞬間、涙があふれておりました。
きよしさんが唄ってくださったのは、さだまさしさんの「奇跡～大きな愛のように～」です。
わたしは、きよしさんに出逢えて、この日、奇跡のような歌唱を聴かせていただけた幸せをかみしめておりました。
暗闇のなか、スッと立たれたきよしさんが静かに唄いだされたあの瞬間、そして繰り広げられた奇跡のような歌唱が、今もよみがえってくるのです。
わたしには忘れ得ぬ歌唱となりました。
※名取駅の改札出るとボードのお出迎え。嬉しいですね！
昨夜は終演後、いとこが車で仙台駅まで送ってくれたので、順調に帰宅できたのですが、感動さめやらず．．．。
母に、叔父（母の弟なのです）のお見舞いの報告を楽しくして、ひと息ついてＰＣに向かって写メの整理をしたのですが、思いに言葉が追いつかなくて．．．。
これは無理と就寝したものの、なんだかドキドキして眠れなくて．．．。
幸せな夜となったのです。
一夜明けて、わたしにとって障害忘れ得ぬ歌唱となったフィナーレできよしさんが唄われたさだまださしさんの「奇跡～大きな愛のように～」の感動から書かせていただくことにしました。
朝１０時少し前にお友達のＨさんとホールに着くと、座席引き換えを待つ方の長い列ができていて、その後ろに並んで引き換えをすませ、お茶をしていたら、お友達のＴさんかえら、”新幹線が一緒で、今着いたので、そろそろ着くと思うよ”というような主語を省略した緊急メール（笑）。
ええと、これはどういう意味？ としばしメールの文面をみつめてすべての主語が”きよしさん”であることに気づいて、あわてて先ほど見かけた多くの方の姿がみえなくななっていたのは”出待ち”のためと気づいて、外に出たのでした。
わたしもＨさんも無事にホールに到着し、座席券を引き換えられたことで満足し、”入り待ち”という発想がなかったのでした（汗）。
外にでてみると、Ｏさんはじめお顔見知りの皆さんが列をつくっていたので、さっそくそのうしろに並んでＴさんからの情報を皆に告知させていただくと（笑）、”じゃあ、そろそろね”と通りの向こうをみやったのです。
きよしさんはバンに乗って到着。
窓はスモークがかかっていましたが、待っているわたしたちに向かって”ぺこり！”と会釈されたシルエットの主がきよしさんだとすぐにわかって（嬉）。
玄関に停車したバンから何人もの方がおりてこられたのですが、そのおひとりが、やっぱりきよしさんだったのです。
きよしさんはふり返って深くお辞儀をされると、手をふってはいっていかれました。
Ｔさんのおかげで思いがけず、幸せな体験をさせていただいたのです。
開演は午後５時２０分。
舞台監督の島袋さん（素敵な女性です！）の楽しい前説があり、和気あいあいとしたムードになったところで、名取市長の山田司郎さん、ＮＨＫ仙台放送局長の 等々力健さんのご挨拶がありました。
”公開復興サポート 明日へ”は今回で１３回目ということで今回はＮＨＫさんと名取市共催となったそうです。
さまざまなイベントが開催されますが、”明日へつながるコンサート”は、毎回、人気実力を兼ね備えた歌手の皆さんが”つなげる”をテーマに歌唱されるものという趣旨もあらためて説明されました。
テレビでの放送はＮＨＫ総合で７月２８日（土）午後６時５分～午後６時４３分と決定！
またその後、７３分の完全版も放送されるそうで、そちらは決定したら番組ＨＰでおしらせしてくださるそうです。
以下はきよしさん中心に書いてみますので、その旨、ご了解くださいませ。
いよいよ司会の小松宏司アナウンサーが登場！
ごご挨拶されると開口一番、
「先ほど舞台裏で氷川きよしさんにお会いしたんですけどね。
今日はね～、より一倍かっこいいですよ～。
それはもう気合入ってます。
宮城入りされてから、震災の被害にあった場所にいかれて（閖上・ゆりあげ地区）をご覧になったそうです」
と。
そしてスペシャルゲストとしてサンドイッチマンのおふたりも来場されて、司会進行を小松アナウンサーと一緒にされたのでした。
サンドイッチマンのおふたりは客席から登場され、
オープニングで、出演される歌手の皆さんがステージに勢ぞろいされ、「明日があるさ」のイントロがながれるなか、客席をとおってステージにあがられ、一緒に唄われたのです。
きよしさんはグリーンが買ったブルー（エメラルドグリーン？）のロング丈の三つ揃いのスーツをお召しになり、シャツも蝶タイも靴も同色でした。
番組に寄せられたメッセージが紹介され、中学生の息子さんを震災で失った方が、きよしさんの「きよしのズンドコ節」に励まされたと書いておられるものがありました。
きよしさんは、そのメッセージを深くうけとめられた様子で、
「〇〇〇さんに届くように唄わせていただきます」とおっしゃると、
「きよしのズンドコ節」
を唄われました。
共演の皆さんは渡辺真知子さん、藤あや子さん、川嶋あいさん。そして歌のゲストは酪農家としてお仕事をされながら地元でライブされている橘和徳さんでした。
きよしさんにつづいて、川嶋さん、渡辺さん、藤さんが唄われると、ふたたび地元の方たちのメッセージが紹介されていきました。
そのなかに、きよしさんの「満天の瞳（ほし）」の詩がお好きとか書かれていた方がいらしたかと思います。
きよしさんは下手におられる司会の３人の隣に立たれ、被災地への思いをお話しされると、
「他人事なんて思っていません！」
ときっぱりおっしゃいました。
そして、応援したい思いを言葉にされ、
”微力ですが”
と言い添えると、サンドイッチマンのおふたりが、
「微力じゃありません。絶対強力ですよ～」
ときよしさんをたたえてくださったので、きよしさんは恐縮された様子でした。
そして、
「できることならなんでもします！」
とおっしゃいました。
そのやりとりの間にステージにはミラーボールがおりてきていました。
きよしさんはローズ色のタキシードにお召し替えされていて、シャツも蝶タイも靴もローズ色でした。
唄ってくださったのは、
「満天の瞳」。
唄いおえると、
「あらためまして、氷川きよしです。
今日は実際に閖上（ゆりあげ）の町にいかせていただいて、胸がしめつけられる思いになりました」
とおっしゃったかと思います。
そして、震災以前の町の写真と、現在の写真を見せていただいて、すべてがなくなり、新しい建物が建ち始めている様子にも深い感慨をいだかれていた様子でした。
「これからも氷川きよしは、歌で皆さんを応援してまいります。
ぼくだけじゃなく、皆さんもそうだと思いますが、今日の自分自身に負けないように！
という思いをこめて唄っている曲があります。
『勝負の花道』！」
というようなこことをお話しされ、ご自身で歌のタイトルもおっしゃり、
「勝負の花道」
を唄ってくださいました。
※貼りだされていたホールの座席表です。
震災後、体験を語る活動をされている青年が登場し、被災した出身校が今年開校したことも紹介されました。
川嶋さん、藤さん、渡辺さんがそれぞれの思いのある、またリクエストにあがった曲を歌唱され歌のゲストの橘さんが登場。被災地ライブの様子が紹介され、「home」を唄われ、こころにしみる歌声を披露してくださったのです。
※ホールのエントランスです。
そして、リクエストの多かった曲ということで「ビューティフル」を渡辺さん、「奇跡～大きな愛のように～」をきよしさんが唄われることを小松さんがナレーションされ、渡辺さんが明るく声高らかに「ビューティフル」を唄われると、暗転したステージに純白のロングジャケットのタキシードをまとったきよしさんが登場されました。
真っ白ですが、その輝きの鮮やかさに客席からどよめきがおこったのです。
中央やや下手寄りにたたれたきよしさんは、静かに、唄いだされたのでした。
その様子はこの記事の冒頭に先に書かせていただきましたが、わたしには忘れ得ぬ歌唱となったのです。
そしてきよしさんは唄いおえると万雷の拍手が鳴り響き、客席が明るくなり、出演者の皆さんが勢ぞろいされました。
川嶋さんが、「旅立ちの日に」を歌唱されたときに、合唱してくださった名取こどもミュージカルの皆さんも登場され、
「花は咲く」を全員で唄ったのです。
※心地よい空気がながれるロビーでした。
皆様、とりとめないままでごめんなさい。
今日はティアラこうとうでのコンサートにいってまいります。
お昼にいただいたクレソンのアイスの写メを！
※クレソンのアイス、おいしかったです。
朝、家をでたときには雨が降っていたのですが、仙台は快晴。晴雨兼用の傘は日傘となったのです。
お昼はＨさん、Ｏさん、Ｔさんと食事をしたのですが、朝摘みクレソンのサラダをたくさんいただいて、デザートにもクレソンのアイスをお願いしました。
クレソン、大好き～！
そして、これこそが自然の恵みなのだと、そのおいしさに感動したのです。
この記事の文末に「奇跡～大きな愛のように～」の歌詩をアップしますね。
「奇跡～大きな愛のように～」作詩・作曲 さだまさし
どんなにせつなくても 必ず明日は来る
ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない
僕は神様でないから 本当の愛は多分知らない けれど
あなたを想う心なら 神様に負けない
たった一度の人生に あなたとめぐりあえたこと 偶然を 装いながら奇跡は いつも近くに居る
ああ 大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい
あなたは気付かなくても いつでも隣を歩いていたい
どんなにせつなくても 必ず明日は来る
ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない
今日と未来の間に 流れる河を夢と言うなら
あなたと同じ夢を見ることが 出来たならそれでいい
僕は神様でないから 奇跡を創ることは出来ない けれどあなたを想う奇跡なら 神様に負けない
ああ大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい
あなたは気付かなくても いつでも隣を歩いていたい
ああ大きな夢になりたい あなたを包んであげたい
あなたの笑顔を守る為に多分僕は生まれて来た
どんなにせつなくても 必ず明日は来る
ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない
どんなにせつなくても 必ず明日は来る
ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない