もう少しで6月が終わりますね。
なにげなく時はながれていきますが、1か月、ふりかえってみれば、いろいろなことがありました。
幸せなことに楽しいことや嬉しいことがたくさんあって、ブログにもその折々に思いを書きとめてきました。
思いかえすのは、初めて訪れた金沢ですごした時間。
6月25日のことでした。
半日ながら、”まちのり”というシステムで運営されているレンタサイクルを利用して、金沢市内をぐるっとまわりました。
とりわけ心惹かれたのは、金沢城(現在は金沢公園となっています)の石垣。
ギリシャのパルテノン神殿と相通じるものを感じて、息を呑んだのです。
”加賀百万石”ということがどれほどのものだったのか、古の金沢城に思を馳せずにはいられませんでした。
☆興味がある方は下記が金沢城公園のHPです。
あの日、きよしさんのニューアルバムに収録されている「奥入瀬旅情」の主人公に心をかさねて、
”この次はあの人と あの人と来たい”と、5月末に体調をくずして入院中だった友人への思いを抱いて金沢の街をまわっていました。
仕事で知り合って、10年あまり。
わたしよりひとつ年上のその友人とは、仕事をはなれても親しくしていて、一緒に旅したこともなんどかありました。
5月にはいって調子がよくないことをはじめて聞いたのですが、原因がわからないまま月末に検査入院してから、入退院を繰りかえしていたのです。
不安でいっぱいでしたが、連絡は最小限にし、お見舞いもさしひかえ、つぎの連絡を待っていました。
川口でのコンサートのときは、気持ちの鎧がとけたのか、不安が噴出して涙がとまらなくなった瞬間がありましたが、越前市でのコンサートでは、そんな不安や心配なんてなんのプラスにもならない。
闘病することになったらできるかぎり応援しよう。
そして、元気になったら、その人が行ってみたいといっていた金沢を一緒に旅しよう。
と、きよしさんの歌声に、前向きな思いにさせていただいたのです。
ですので、ふたりで一緒にまわっているようなつもりで、行き当たりばったりの金沢旅でしたが、
”うわあ、やっぱり道に迷っちゃったねえ”
とか、
”ランチは気になっていた金澤ななほしカレーにしてみる?”
とその人の思いを感じておりました。
そんななか、レンタサイクルを置くポートが街の要所要所にあるのですが、そのポートを探していて、思いがけず、今回はかぎられた時間なのでとあきらめていた泉鏡花記念館にいきついたのです。
そうしたら、なんと、なんと、市内にあることさえ調べていなかった、金沢蓄音館がすぐ近くにあるではありませんか!
そう、きよしさんゆかりの場所ですよね(嬉)。
※エントランスです。
3年ほど前に、日経新聞の記事に、
”美空ひばりさん 歌で自己紹介”というタイトルの記事が載っているのを目にしました。
ひばりさんの最初のヒット曲である「悲しき口笛」(1949年)の宣伝用レコードが金沢市で見つかったということでした。
白いラベルなので“白盤”と呼ばれたサンプル盤。
非売品と書かれたSP盤のラベルに曲名と品番がゴム印で押されています。
当時の美空さんはほとんど無名だったので、曲の前に
「こんにちは、皆さん。ごきげんよろしく、美空ひばりでございます。どうぞよろしく、ヘイ」
と別のメロディーに乗せて楽しく歌いながら自己紹介されているそうです。
ちなみに裏面には別の歌手の方の曲が収録されているとのこと。
ちなみに裏面には別の歌手の方の曲が収録されているとのこと。
当時はレコード会社の営業の方がこの白盤を持って各地のレコード店を訪れ、蓄音機で再生して注文を取ったということですが、レコード会社にも保管されていず、金沢市内にある蓄音機を集めた博物館である金沢蓄音館に寄贈されたSP盤の中にあり、そのほか越路吹雪さんの「ひとつの心」、ひばりさんの「波止場小僧」のナレーション入りの白盤も見つかったそうです。
「悲しき口笛」の白盤は、9月に日本コロムビアから発売されるCDアルバムに、50年にひばりさんがアメリカで公演した際の音源とともに収録される予定ということでした。
「悲しき口笛」の白盤は、9月に日本コロムビアから発売されるCDアルバムに、50年にひばりさんがアメリカで公演した際の音源とともに収録される予定ということでした。
ところで、なぜ、”きよしさんゆかり”なのかと申しますと、
こちらご覧くださいませ。
こちらには、きよしさんもオープン年に訪れていらっしゃるのです。
そのときは、自分もその場にいくことがあるなんて、夢にも思っていなかったことを思いだして、感慨深いです。
今回はかぎられた時間での旅なので、目的地をきめずに市内一周することにしていて。
次回、金沢できよしさんがコンサートをされるときは、うかがいたいと思い、本多の森ホールにはいってみたのですが、まさか、蓄音館にいきつけるなんて。
そして、到着すると、ちょうど館長さんによる蓄音器の実演がはじまるタイミングでした。
紹介する蓄音器の性質を楽しむのにふさわしいレコードを館長さんがセレクトしてくださり、10台ほどの蓄音器を聴きくらべさせてくださるのです。
この日は、雪村いづみさんの「チャチャチャは素晴らしい」をかけてくださり、そのときの空気がよみがえってきたのでした。
まだ長良会長がマネージャーをされる前の時代ではありますが、会長もこのレコードをお聴きになったことを思い、またもご縁を感じていたのです。
ちなみに、HPでもYou tubeで、蓄音器の音を聴くことができるようにしてくださっていますので、ぜひ!
こちらでは岡晴夫さんの「上海の花売り娘」を聴くことができます。
半日ながら、親切な方にもたくさん会い、愛され守りつづけてきた文化のぬくもりに感動し、また深いご縁を感じた”金沢旅”となりました。
週明けて、友人のご家族から、その25日に友人が旅だったことをしらされました。
深刻な病だったそうですが、闘病に苦しむことがなかったことに救われています。
友人にはただただ、ありがとうの言葉しかありません。
そして、素敵な時間をたくさんすごしてきたので、そのときどきも思い出されますが、なにより、なにげないやりとり、どうでもいい話をだらだらとした友人との時間がいとおしく思えてなりません。
今この時を大事に大事に、生きていこういと思います。
明日は鎌倉芸術館でのコンサート。
Kさんと一緒に小旅行をかねて参加させていただきます。
また楽しいご報告をさせてくださいね。