昨夜、作詩家の下地亜記子先生の訃報をしりました。
毎年「日本作詩大賞」の放送時にテレビをとおしてではありますが、笑顔の素敵な先生をお見かけしていましたので、15年前にがんを発病し、その後ずっと闘病されながら創作されていたことをはじめてしり、驚いています。
そして、悲しさでいっぱいです。
先生は、氷川きよしさんとファンとの”アワソング(our song)”のように愛されている「いつもみんなで手をつなごう」や、氷川きよしの生きざまそのもが描かれているような「夢勝負」はじめたくさんの詩を書いてくださってきましたね。
その楽曲はどのタイトルをあげても、皆様にとって大好きな曲ばかりだと思います。
個人的な思いですが、先生の訃報をしって、わたしか最初にうかんだ曲は「一陣の風」でした。
リリース時に大ヒットしていた映画「レッドクリフ」の世界と拮抗するほどの壮大でドラマティックな世界観が描かれていて、きよしさんの歌唱を聴き、”詩”でここまでの表現ができるものなのだと、ひれふしたいほどの感動をいだきました。
とりわけ、”♪凛と光る月が 荒野を照らす”
ではじまる2コーラスめの歌詩!
”♪想い出す愛しい あなたの顔を
今は誰のものか 唇は”
と、きよしさんが歌うとき、壮大なロマンのなかに淡いエロティシズムがたちのぼって、ためいきがでるほどにうっとりさせられるのです。
きよしさんのディスコグラフィーをたどってみると、シングル関連では2003年にリリースされたシングル第5弾「白雲の城」のカップリング曲の「あの娘は行っちゃった」、アルバムでは「男気」に収録されている「夢勝負」が最初の楽曲提供になるでしょうか。
以後、シングル関連では、
「情熱のマリアッチ」のカップリング曲の「浮雲道中」と「冬の月」。
先に書かせていただいた「満天の瞳」のカップリング曲の「一陣の風」。
アルバムでは...、
”うわあ、大好きな曲ばかり!”
”うわあ、大好きな曲ばかり!”
ピックアップしながら思わず声にだしてしまいました。
ほぼリリース順に
「夏子の海峡」
「いつもみんなで手をつなごう」
「きよしの一心太助」
「杏の花咲く里」「祭り囃子」
「風来抄」
「流氷の町」
「寒紅梅」
「月が笑ってる」
「さすらい北岬」
そしてカバー曲としてアルバムに収録されていますが、
「浅草パラダイス」も下地先生の作品ですね。
今日まで600曲以上を世に送り出された先生は、
「優しさと温かさが根底に流れている詩を心がけている。詩で夢を伝えたい」とお話しされ、今年の「日本作詩大賞」にも、「白雪草」(増位山太志郎)と「流れ雲」(北山たけし)の2作が大賞候補作に選ばれていたので、番組への出演を楽しみにされていたそうです。
放送当日はあらためて先生に感謝の思いをおくらせていただき、偲ばせていただきたいと思います。
文末に、わたしのまた個人的な思いですが、「風来抄」をはじめて聴いたとき、この曲は氷川きよし版「マイウェイ」と勝手ながら感じ、きよしさんが40代、50代、60代と年を重ねたとき、またどんな風に歌ってくださるのか、楽しみに楽しみに思わせていただいている1曲なのです。
1番の歌詩の”風に吹かれて 行こうじゃないか”という歌詩に、ボブ・ディランの「風に吹かれて」のニュアンスを想起させられましたが、それが2番では”風と語らい”となり、3番では”風の吹くまま”と転じていくところに下地先生の人生観がほのみえてきて...。
聴く人の心に寄り添い、あたたかくつつみこんでくれるやさしさを感じるのです。
「風来抄」
作詩:下地亜記子
作曲:杜奏太朗
作曲:杜奏太朗
編曲:石倉重信
恋も涙も 想い出も
男は背中に 隠して生きる
灯(あか)りともれば 酒もよし
酔えば人(ひと)恋(こ)う 歌もよし
飾らず 無理せず 俺らしく
風に吹かれて 行こうじゃないか
つらい過去(むかし)の 傷あとは
誰にもあるのさ 二(ふた)つや三(みっ)つ
器用なんかじゃ ないけれど
情け交わして 生きようか
優しく 楽しく あたたかく
風と語らい 行こうじゃないか
夢を追いかけ 追いつけず
季節がいくつも 追い越してゆく
いいさ時代に 流されず
古い男で いるもよし
飾らず まっすぐ 俺らしく
風の吹くまま 行こうじゃないか
男は背中に 隠して生きる
灯(あか)りともれば 酒もよし
酔えば人(ひと)恋(こ)う 歌もよし
飾らず 無理せず 俺らしく
風に吹かれて 行こうじゃないか
つらい過去(むかし)の 傷あとは
誰にもあるのさ 二(ふた)つや三(みっ)つ
器用なんかじゃ ないけれど
情け交わして 生きようか
優しく 楽しく あたたかく
風と語らい 行こうじゃないか
夢を追いかけ 追いつけず
季節がいくつも 追い越してゆく
いいさ時代に 流されず
古い男で いるもよし
飾らず まっすぐ 俺らしく
風の吹くまま 行こうじゃないか
下地亜記子先生
ありがとうございました。