「川崎、いくぜ~っ!」
暗転した舞台の上手から颯爽とした足取りでステージに舞い戻ったきよしさんは、クリムゾンレッドのツアーTシャツをタンクトップにアレンジしたトップスに黒のレザーパンツ、黒のチェーン飾りをさりげなくパンツにあしらわれ、ロックテイストの出で立ちでした。
そう、そこで唄ってくださったのは「限界突破×サバイバー」、そして「碧し」だったのです。
いっそう身軽な出で立ちでの、熱く、激しく、そしてしなやかなきよしさんの歌唱は、音、そしてリズムと一体化し、きよしさんの鼓動が新たなリズムを刻みだしていくのを感じて、わたしもまたきよしさんの鼓動に同化しているような不思議な感覚を味わっておりました。
もうっ、最高!!!
カルッツかわさきでのコンサーの昼の部で、”ふれあいコーナー”でもりあがったあと、「男の絶唱」のニューカップリング3曲(DEFタイプ)から、「片恋のサルサ」、「芝浜恋女房」、「酒場のひとりごと」を唄われるとステージ袖に戻られたので、わたしがこれまで参加させていただいたコンサートでは、”プレゼント”的な意味合いで唄ってくださってきた2曲の歌唱をいったんお休みされるのかしら?
と思っていたものですから、予期せぬ新演出に大げさでなくびっくり仰天!
司会の西寄ひがしさんの曲紹介をされるなか、暗転したステージに立たれたきよしさんのシルエットから、タイトでフィットした衣裳にチェンジされていることがわかって、どんな衣裳に? と、もうドキドキしたのです。
パッ!
と、そこでステージが明るくなると、ロックモードのきよしさんが立っておられたのでした。
もう、そこからは、夢の時間...。
チョコレートやアイスクリームだったら、とろけてタイヘンなことになっちゃう!
と、なぜだかそんなことを感動でしびれた頭の奥で考えていたわたしだったのです(汗)。
この日はハロウィンにちなんで、きよしさんから「ハロウィン音頭」のプレゼントがありました。
お忙しい日々をすごされているきよしさんですが、街中で”かぼちゃ”を見かけて、ハロウィンの季節だときづかれて、前夜、歌でも旬のものをお届けしたいと思われてのことだったそうです。
急なことだったので、西寄さんが魔法使いの出で立ちできよしさんと一緒に踊ってくださる際のコスチュームは、帽子はスタッフが調達してきてくださったのですが、赤いサテン地のマントは、コスチューム用ではなく、たまたまホールの楽屋に落ちていた布を活用されたということでした(笑)。
でも、とってもいい感じだったのです。
11月21日に「新・演歌名曲コレクション6-碧し-」がリリースされる情報は、正式にはこの日の昼の部で解禁となっていたそうで、予約も昼の部終演後から受付開始となりましたから、それを受けて、”プレゼント”という形ではなく、コーナーをつくってくださることになったのでしょうか。
そして、勝手な想像ですが、演歌もポップスもロックもすべてが”氷川きよし”の歌なんだと、聴き手もきよしさんと同じ思いで受けとめていることをはっきりと感じて、今のスタンスとスタイルでいこう! と、きよしさんのお気持ちも固まったということなのかしら? なんて。
あれこれおこがましくも勝手な想像をめぐらせて嬉しくなっていたのです。
※カルッツかわさきの全貌です。
きよしさんが、この日、青山葬儀所での平尾昌晃先生の告別式に参列されてからコンサート会場にいらしことをあとでしりました。
きよしさんは、この日、とりわけいろいろな思いを抱いて、1曲、1曲を唄ってくださっていたのだろうなとあらためて思いながら、このブログを書いています。
わたしは、たいせつな人との別れがつづいて、やるせなさがあふれてきてどうしようもなくなりそうになったとき、わたしはきよしさんの歌唱に、
”泣きたかったら泣いたらいいんだよ、でも、悲しさにとらわれすぎて今のたいせつさを忘れちゃだめだよ”
と何度も励まされてきたことを今、ブログを書きながらあらためて思っています。
※会場の少し手前に、佐藤惣之助さんの碑がありました。
佐藤さんが書かれた「男の純情」を、
わたしはきよしさんがカバーされて知り、大好きになりました。
きよしさんの川崎でのコンサートは、ツアー2年めの2003年に川崎市教育文化会館でおこなって以来14年ぶり。
このカルッツかわさきは今年10月1日にオープンしたできたてほやほや。
その記念すべきオープン月にコンサートを開催されたのです。
正式には”川崎市スポーツ・文化総合センター”という名称で、”カルッツかわさき”は愛称。
”スポーツとカルチャーを足して、心弾む軽やかな響きに”という造語で全国公募で、選ばれ、つくったのは中学1年生の女子ということでした。
素晴らしいですね。
老朽化した川崎市体育館(すでに閉館)と川崎市教育文化会館のホール機能をあわせた施設ということで、川崎市教育文化会館は来年3月で閉館するのだそうです。
新たな一歩、そして新たな歴史をきよしさんがまた刻んでくださったのですね。
※碑の説明です。川崎ゆかりの方なのですね。
以下は昼夜おりまぜて書いていきますね。
昼の部でのオープニングで、
「先日、オリンピックまであと1000日になったそうですが、僕は東京オリンピックの年にデビュー20周年を迎えるんですよ。
だから、歌で皆さんに笑顔になっていただきたいという思いで唄ってまいります。
今日は14年ぶりの川崎...。
デビュー18年目、上京して22年目。どちらかというと東京暮らしのほうが長くなりました。
自分でいうのもなんですけど、少しはあか抜けたかなって(笑)」
きよしさんは、そこまでおっしゃると、
「冗談です(笑)」
と静かにひとこと。
そして、ちょっぴり伏し目がちに、
「愛し、愛されて18年です。
ありがとうございます」
と会釈されたのです。
きよしさんはさらりとおっしゃられたのですが、わたしは嬉しすぎるきよしさんの言葉に顔から火がでそうになったのです。
西寄さんをまじえての”ふれあいコーナー”に入る前のトークで、西寄さんが、今年のきよしさんの多彩な活躍を”ご紹介しきれないほど”とおっしゃり、、とりわけ「限界突破×サバイバー」と「碧し」という2曲の反響の大きさを話題にされると
「そうですか~?」
といったんはひとごとのような反応をされたきよしさんでしたが(笑)、
「ポップスも唄わせていただいて、演歌歌手の氷川きよしとのメリハリがついていいのかなって。
スパゲッティも好きだけど、和食も好きっていうふうに。
『限界突破×サバイバー」を唄わせていただくことになって、もう嬉しくて、嬉しくて、もうこれで人生の幕をおろしてもいいぐらいの思いでした。
小3のときから好きでしたからね」
と熱く語られたのです。
まだこのときは「限界突破×サバイバー」と「碧し」の曲を新たにコーナーをつくって唄われるとはまったく想像もしていなかったのですが、このときのきよしさんのお話をきいていて、きよしさんのなかにある手応えや確信がうまれて、その思いが固まったのだなあと勝手ながら感じたのです。
というのもわたしなりに、コンサートでご一緒した方たちから、きよしさんがポップスを唄うことで、演歌歌手・氷川きよしの歌を聴いてきた人たちはその世界を広げ、一方で演歌に興味がなかった方たちが、氷川きよしの唄うポップスをきっかけに、氷川きよしの唄う演歌を聴くようになっていることを感じていたのです。
そして、昼夜とも26日に鳥取県倉吉市でおこなわれた「新・日本のうた」の公開収録で、その回がきよしさんのワンマンショーがもりこまれていて、きよしさんが16曲歌唱されたことを西寄さんが話題にされると、
「ワンマンショーは久々で、10年ぶりだったんです。
とても緊張しました~。
良い挑戦と勉強になりました。
皆さんの前でだから、言わせていただくんですが、正直、大変に疲れました(笑)。
初めて唄う歌もあって『黒田節』を唄いましたし、衣裳も(何回か)替えました。
あとは、ええとあんまりいわないほうがいいのか...。
後輩の皆さんと僕が上京した時のお話をしたりして楽しかったんですけれども。
でも、先輩もいらっしゃって、そのなかでワンマンショーのコーナーをつくっていただきましたから、緊張します。
若手の皆さんは、清水博正さん、パク・ジュニョンさん、それに大江裕ちゃんと中澤卓也さん」
ときよしさんはおっしゃると今回は清水さんの声真似を思いっきりしてくださって、清水さんをご存じの方にとっては、まるで清水さんがそこにいらっしゃるのかしら? と錯覚するほど(笑)。
得意の大江さんの”恐れ入りますぅ~!”まで披露してくださると、
「皆さん、若手の皆さんのことも応援してくださいね。
夜の部では、
若手の皆さんにがんばってもらって、演歌の世界をどんどんもりあげてほしいですから」
きよしさんはそこまでおっしゃると、
「僕のことも忘れないでくださいね」
といい添えたので、そこは電光石火のごとく西寄さんが、
「なにをおっしゃいますかっ! ねっ、皆さん」
とフォローしてくださいました。
そうですよ、もう~。
わたしたちにとってはいつでもきよしさんが一番なんですから。
昼の部では、
「(収録では)16曲唄うことももちろんですが、トークも台本があって、きっちりと番組をつくっていきますから。
集中して、神経が研ぎ澄まされましたよね」
ときよしさんが、おっしゃると、
「今日は何の台本もありませんっ!」
と西寄さんがフォロー。
きよしさんはすかさず、「フリートーク!」とおっしゃって、”トーク”のところは西寄さんと息を合わせて、おっしゃられたのです(笑)。
”ふれあいコーナー”の昼の部のおひとりめは3階席の方。
会場の手前に銀杏がたくさん落ちていたことから、きよしさんがお好きな銀杏の食べ方についての質問を書かれていました。
きよしさんは焼いて食べるのがお好きで、お知り合いの方から封筒に入れて電子レンジで1分ほどで殻がむけることをおしえていただいたそうですが、封筒が破裂しないように時間に注意とのことでした。
おふたりめは1階席の方。定年になって目的をなくしていた方に「男の絶唱」をプレゼントされたところ、カラオケで唄ってはりきっていらっしゃるとのこと。
「目標をもつことはたいせつですね」
とおっしゃるきよしさんに、
「私たちの仕事には定年がありませんからね」
と西寄さんがおっしゃると、
「僕、40歳だってことに、自分でショックを受けています。もう、そういう(大人の)年齢になったんだなあって思って」
ときよしさん。
加えて西寄さんが、
「後輩の皆さんの目標になっているんですから」
とフォローされると、きよしさんは、
「そんな、とんでもないですよ。
(いろいろな思いはありますが)これから、僕らしくマイペースで唄っていきたいです」
と結ばれました。
そして11月21日に発売される「新・演歌名曲コレクション6-碧し-」の話題になると、
「今日が解禁ということで。
アルバムのことを話したら、僕、2時間くらいかかります。
だから、その2時間を2分に(笑)。
演歌とポップスといれたアルバムになっています。
3か月前からつくっていて、もうジャケットも撮りました」
とおっしゃると、まずカバー曲のタイトルを紹介されながら、
「北の蛍」の唄いだしの数フレーズを唄ってくださったものですから、わたしは瞬殺状態。
もう~~~、なんて素敵なんでしょう。
聴かせていただくその日が楽しみでならないのですが、正直、自分がどうなってしまうのか、怖くなってきました(汗)。
そのくらい素敵な数フレーズ。
そして、「時の流れに身をまかせ」も数フレーズ唄われると、オリジナル曲のことをお話しくださいました。
「『新宿ブルームーン』は演歌ロックなんですよ。僕、状況したとき、西新宿に住んでいましたから。
原点を忘れたくないなって思って、作家の先生につくっていただきました。
あのときは”自分に負けられないんだよ、このやろう!”って思ってがんばっていました。
初回限定盤(Aタイプ)にはDVDが付くんですが、そのなかにこの曲と『碧し』のPVがはいっているんです。
新宿で撮影をして。
僕、街中をうわ~っ!って走り抜けて、くっ!てなって(って、どんななんでしょ?)。お芝居もしています。
『川中島回想』は仁井谷(俊也)先生がつくってくださいました。先生は川中島でお仕事をされていたことがあったそうなんです。
『じょんがら挽歌」は好きな女性を守れなかった主人公の思いが描かれています」
とあふれる思いをながれるようにお話ししてくださいました。
さらに夜の部では、
「皆さんに喜んでいただきたくて、こさえたんです。
カバー曲はひばりさんの曲を生誕80年ということで2曲いれさせていただきました。
『おまえに惚れた』と『花笠道中』です」
とおっしゃると、
突然「♪惚れた 惚れたよ おまえに 惚れた~」
と唄いだされて、右手の人差し指を...。
もう、こころとろけてしまいました。
前後しますが昼の部のラストトークでのこと。
「20周年を迎える年にオリンピックが開催されます。
僕も大きく飛躍して、どういう50代になっていくかを考えています。
10年っていってもあっという間でしょう?
皆さん、いよいよあとアンコールをいれて5曲となりました。
もう、まだ30曲くらい唄いたい気持ちなんですけれども、その思いを5曲に濃縮して唄います。
皆さんにとって『男の絶唱』が人生の応援歌になったらいいなと思っています」
と、きよしさんはそこまでおっしゃると、どこもかしこもピカピカのホール中に響き渡る大きなお声で、タイトルコールをされると、「男の絶唱」、そして「白雲の城」を唄ってくださったのです。
この日アンコールの最後の「きよしのズンドコ節」の後半で、”きよしコール”の際、きよしさんが、ご自身を指さされる仕草をされたのです。
一緒に参加していたお友達のKさんと、”初めてよね”と確認しあって、微笑ましいい思いにさせていただきました。
そして、客席にむかってお辞儀をされ手を振り、ステージのセンター階段をのぼっていかれたのですが、最後の1段を、ぴょんっ!とジャンプして踏み越えたのです。
うしろ姿でしたが、そのときのきよしさんのいたずらっこのような笑顔がうかんで...。
もう、なんてお茶目な方なんでしょ。
でもふりかえったきよしさんは、キラキラと輝いて、ただただまぶしかったのです。
それほどの熱唱と感動でいっぱいの昼の部が終わって、1時間半ほど。
夜の部がスタートしたのです。
オープニングから力強い歌唱がつづいて、”ふれいあコーナー”まで「ハロウィン音頭」のプレゼントもあり、絶好調の歌唱を聴かせてくださったのです。
そんななかで迎えた”ふれあいコーナー”のおひとりめの当選者は2階席の方。勝浦から娘さんとそのご主人と3人でお越しになられたということでした。
”75歳の後期高齢者ですが、ロックを唄うきよしさんが素敵で、75歳にしてロックにめざめました”というようなメッセージを書いてくださっていました。
「嬉しいっ、嬉しいですね~」
と大喜びのきよしさんだったのです。
娘さんや、そのご主人にもお声をかけたのですが、
「きよしです」
とのきよしさんの第一声に、
”テツオです”とご主人が相方のように気さくにお答えになられたので場内大爆笑となりました。
おふたりめの当選者は横浜からお越しの女子大生の方。今年3年生で来年の就職のことを考えて不安になっているとのこと。そのため、不安な時、きよしさんはどうされているのかという質問を書かれていました。
お母さまとそのお姉さま(伯母さんということですね)と3名で来場とのこと。
きよしさんは、
「自分の可能性を信じて一生懸命努力して勉強していたら、見る人は必ず見てるから」
と励まされました。
そして、
「僕は演歌に出会うのが遅かったから、勉強して勉強して...。
限界を突破して、自分をサバイバーしてねっ」
と「限界突破×サバイバー」になぞらえておっしゃったのです。
そして、
「かわいい~。いいお嫁さんになりますね。控えめで」
と、きよしさんがおっしゃると、
間髪おかず、
”きよしくん、大好きで~す”
とかわいらしいお声で返答が。
そこですかさず西寄さんが、
「○○さん、その調子で就職がんばってくださ~い」
とフォローされたので場内大爆笑となりました。
情熱歌唱にまごころトーク、新演出に旬の歌のプレゼントまでくださったカルッツかわさきでのコンサートの夜の部のラストで、来場のお礼をあらためておっしゃると、
「今年もあと2か月です。
年末に向かっていっそうがんばってまいります。
年末のいろいろな番組にも出させていただけるように」
そこまでおっしゃると、
「大丈夫ですかね、僕」
ときよしさんはつぶやくようにおっしゃったのです。
昼夜あわせて、この日いちばんの大きな拍手が起こったことはいうまでもありません。
年末にむかって、西寄さんのお言葉をかりて、”「男の絶唱」をあとひと押し、ふた押し、三押し!”
皆さま、応援がんばりましょう!
※昼夜おりまぜて書かせていただきました。
駆け足での更新になってしまい、行きつ戻りつして読みづらい点、お許しくださいませ。
「男の絶唱」のリクエスト大作戦のその後のことなど、次の記事であらためて書いてみたいと思っています。